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まだ夏の暑さが残る中、サアッと吹く夜風に肌寒さを感じたその日。
そこは雰囲気のある居酒屋だった。入ってすぐに端のカウンター席に通される。日本酒がこだわりのお店というだけあって、日本酒飲み比べがあるらしい。いつしかブランデーを飲み比べたことをお絞りで手を拭きながら思い出す。
数日前、バーで飲んでいたら何故か無性に彼女に会いたくなった。何故だかは、今は、分からない、とでも言っておく。連絡先を交換していなかったことを思い出してその場でりょうくんに教えてもらった。
連絡をすると、今日は先約があると彼女に言われたので、週末に二人で飲みに行く予定をこじつけた。
その場の勢いで二人で、と言ったけれど、時間が経つと妙に冷静になる自分がいたりした。
いつものバーでいいのでは?と。
いやでもまぁいいか。と考えることを放棄した結果、今この居酒屋で彼女を待っている。
「いらっしゃい!」
という活気の良い声がして振り向くと、彼女がちょうど店に入ったところだった。目が合い、ちょいちょい、と手招きをして来るように促す。ちょこんと彼女は隣に腰掛けた。
「このお店、ちょっと気になってたんだ。」
「初めてですか。」
「うん、日本酒が美味しいの。」
いつもと違う場所で二人きりで会っていることに対して、心臓が早鐘を打っている事実を一旦隅に置く。
最初に頼んだビールで乾杯、とグラスを寄せ合いそれを一気に流し込む。あ〜ビールうま。と唸ったら彼女の顔がほころんだ。
ドクン、と胸の奥が響く。
あえて気付かないフリをしてたけど、彼女がこちらをちらちらと見ているのがなんだがこそばゆい。ん?と彼女に目線だけ送ると「み、見てないです…」と、か細く答えた。
フッ、それは今自分が見てたことを申告してるだろ。
照れたその様子が愛くるしくて、すでに心を持っていかれていた。
今日、やばいな。
もう隠しようのないそんな気持ちを、目の前にあるビールと一緒に流し込んだ。
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にくまん(プロフ) - eriiiさん» 楽しみにしてくださっててとても嬉しいです。しばらく彼視点を更新していきますのでごゆるりとお楽しみくださいませ。 (11月25日 13時) (レス) @page25 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
eriii(プロフ) - この展開!!本編でめちゃくちゃ気になってました!彼視点楽しみです🥰 (11月24日 19時) (レス) @page23 id: 8d69bf7036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にくまん | 作成日時:2023年11月2日 20時