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ドンと一発目の花火が夜空一面に輝いた。
おおー、という感嘆と共に屋上にお客さんが一気に集まる。
綺麗だ。少し遠いけど、よく見える。
ドンドンドンと次々と絶え間なく上がる火花が美しい。そんな光の花を見つめながら、私はお酒を嗜んだ。
ある程度打ち上げ開始から時間が経つと、常連さん達は少しずつ下の階のバーに降りて屋上に人が少なくなった。花火はひと目見たらいいやと笑っていた。まさに花より団子、いや花よりお酒らしい。
カケルさんも、屋上はりょうちゃんに任せて下に降りて行くのが見えた。
江口さん…来ないな…
私はずっとソワソワしていた。
きっと仕事だろうし、もしかしたら花火には間に合わないかもしれない、と思いつつお酒をグビっと飲み干す。
色とりどりの花火が打ち上げられてドンドンと心臓に音が響く。太陽は沈み真っ暗な夜空だが、花火が打ち上がるとピカッと明るくなる。
屋上の柵に手を置きながら、心を落ち着かせるためにも私はずっと花火を見続けた。
手元のグラスを見てハイボールがなくなっているのに気付く。
「りょうちゃん、ハイボールください。」
と言って横を向いたが、りょうちゃんはいなかった。トイレでも行ったのだろうか。というより。あれ、誰もいない。
静かな中ドンドンと花火が打ち上がる。
その時、ふっと反対側の腕に温もりを感じた。
ーーーーーー。
心臓が、ドクンドクンと音を立てる。
振り向かなくても分かっている。こう言う時に音もなく近付いてくるのは、彼しかいないのだ。
腕と腕が、とん、と当たる。
目線を、柵を握っていた自分の手に移す。
隣には、彼の手。
ああ
手と手がこつんと触れる。
この手にいつも、いつも、支えてもらっていた。
会えた。
……会えた。
私から避けていたのに。
会えただけで肩が震えた。
声が出ない。
涙が、溢れる。
顔が上げられずに下を向く。
「Aちゃん」
いつもの、彼の、優しい声。
「……っ」
自分から距離を置いておいて、私は馬鹿だ。
不器用にも程がある。
どうして、どうしてこんなにも愛おしいのに。
俯いたまま涙がポタリ、ポタリと落ちて地面に染みを作る。
振り向けない、どうしよう。
ダメだ。
伝えにきたんだ、私は。
いつまでもこんな、ずっと彼に甘えっぱなしはダメだ…
声を…出して
顔を…上げろ…
伝えたい
「江口さん…好きです…」
彼と目が合った瞬間に、強く、強く抱きしめられた。
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プシラブ(プロフ) - にくまんさん» すみません！出来ました…！ご丁寧にありがとうございます…🙇♀️ (11月1日 2時) (
レス) id: 1211b73cd8 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん(プロフ) - プシラブさん» コメントありがとうございます。secretですがR18設定をしているので、プシラブさんご自身がR18コンテンツフィルタをNG設定にされているかもしれません。マイページ→設定より下部付近に18コンテンツ設定がありますのでご確認くださいませ⭐︎ (11月1日 1時) (レス) id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
プシラブ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます…！続編楽しみに待ってます…！！あとすみません…。secretが見当たらず…。まだ公開されていないというだけでしょうか…。もしそうでしたら本当に急かしている様に感じてしまうかもしれませんが、決してそういったことでないので…。 (11月1日 0時) (レス) @page43 id: 1211b73cd8 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん(プロフ) - かなこさん» ありがとうございます。嬉しいお言葉にぶるぶる震えております。近いうちに更新予定ですのでお楽しみに。 (10月31日 20時) (レス) @page45 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - サイドストーリーも続編も楽しみに待ってます🥰 (10月30日 20時) (レス) @page45 id: cd18282d70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にくまん | 作成日時：2023年10月23日 0時
