怪盗キッドの憂鬱 (ページ33)

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第31ショーページ33

～Aside～

その人物に会った瞬間、私の思考は停止した

A「…っ、優……？」

私がそう呟くと彼は少しずつこちらへ近づいてきた

こわい…逃げないと……嫌だ、嫌だ！

しかし私はトラウマがフラッシュバックして思うように動けないでいた

快斗「A、下がってろ」

そんな私を庇ったのは快斗だった

私の気持ちを察した彼は優に向かってゆっくりと歩き出した

優「…久しぶりだな、A。元気にしてたか？」

私は、答えたくなかった……自分が悪いと分かっていても、彼に二度と心を許したくなかった

快斗「あんたにこいつの名前を呼ぶ資格はねえよ。」

そう言って快斗はまたしても私のことを庇った

優「誰だよお前…俺は幼馴染のそいつに用があるんだけど……別に何もしないし」

快斗「ﾊｯ…お前は用があってもAは用なんてないだろ。今更何を話すって言うんだよ、責任をAに押し付けて、逃げたのはお前の方なんじゃねえのかよ。てめーの勝手な思い込みでこいつがどれだけ傷付いたのか分かんねえだろ！」

A「快斗……」

青子「…」

快斗は私が心の奥底で思っていたことを全て言ってくれた

肩を震わせてまで私のために怒ってくれる彼に、私はますます心が惹かれていった

同時に、そんな彼を見てこのままではいけないと直感的に感じた私は口を開いた

A「分かった……私、逃げないで話すよ」

快斗「おいA！でもこいつは……っ」

A「いいの、快斗がそう言って私を庇ってくれただけで本当に十分だからﾆｺｯ。それに、何かあっても私には頼もしいボディーガードさんがいて護ってくれる、そうでしょ？」

快斗「…！そ、そうだな。何かあったら俺がおめーを必ず護る、約束だ。」

A「ﾌﾌｯ……じゃあ、ちょっと話してくるね。快斗と青子ちゃんはそこのカフェで待ってて欲しい。」

快斗「分かった、行くぞ青子」

青子「う、うん」

そう言って私は決心をした後…微かに震えながらも優のそばに歩いていった

優「本当に、いいんだな？」

私は優のその言葉にゆっくりと頷いた