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第22ショー ページ24

〜Aside〜









A「……こんなこと思い出すなんてどうかしてる。私にはもう恋愛なんてできない。する資格も、ない…!ボロボロ」









涙が止まらなくなった。
自分が悪いのに彼の言葉に傷ついて勝手に恋愛ができなくなるなんて、本当にバカだ。




大切な幼馴染も失った私は誰かを頼ることも特になくなり、毎日笑って平気な顔をしていた。






高校へ入って園子や蘭、新一と仲良くなったけど、もしこの話を話したとして、こんな私情で迷惑かけたくない。









A「頭、冷やさないとな…」









ガララ









ベランダの窓を開けて外に出た。









そこには、まるで私の心を見透かした顔をしている怪盗が立っていた。









キッド「涙は似合いませんよ、お嬢さん…」









そう言うとキッドはハンカチを出してそっと私の頬を伝う涙を拭き取った。









A「キッド……ありがとう。約束した通り、来てくれたんだね。」









キッド「はい、約束を守るのは怪盗の掟ですから。」









「約束」その言葉が酷く心に響いて私は咄嗟に呟いた。









A「……約束を守ってくれるなら、私のこと奪ってよ。」









キッド「それは、なりません。」









A「どうして…!私のこと奪うって約束したんじゃないの?全部嘘だったの?奪うっていうのも、軽い気持ちで言ったの……?」









キッド「落ち着いてくださいお嬢さん。そんなんじゃありませんよ、傷ついて自我を忘れてしまった人の隙につけ込むほど、怪盗は腐ったものではありません。……なおさら、軽い気持ちで今のあなたを奪うことは私にはできません。かと言って奪うというのが嘘な訳ではないので、あなたのことはちゃんと今度奪わせて頂きますよ」









A「キッド……」









キッド「だから今は……ギュッ……その涙、私に受け取らせて頂きたい。」









私はプツンと何かが弾け飛んだかのように今までの思いを、キッドに抱きしめられたまま涙として流した。

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めぐ(プロフ) - 続編出していただけるんですか!めっちゃ楽しみです!続編頑張ってください! (2019年5月13日 8時) (レス) id: 3bbedfaffd (このIDを非表示/違反報告)
菜ノ花桜(プロフ) - めぐさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。 (2019年5月12日 21時) (レス) id: 99ef0c82f2 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 最高です! (2019年5月12日 17時) (レス) id: 3bbedfaffd (このIDを非表示/違反報告)
菜ノ花桜(プロフ) - めぐさん» ありがとうございます。頑張らせて頂きます。 (2019年5月12日 17時) (レス) id: 99ef0c82f2 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2019年5月10日 21時) (レス) id: 3bbedfaffd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜ノ花桜 x他1人 | 作成日時:2019年4月23日 14時

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