【双星の陰陽師】短編集

予知少女　焔魔堂ろくろ ページ2

「好きです！付き合って下さい‼」

「ほぇ？」

人気も無い校舎裏は絶好の告白場所と皆さんは知っていますよね？

かの玉砕5連敗で有名な焔魔堂ろくろ君が私に向かって頭を下げている

あれ？これ何の冗談？

「えっと‥‥その、ごめんなさい‼」

「やっぱり、そうだよなぁ‥‥」

思いきり落ち込まれて私どうしたらいいの？

「ろくろ君に私は勿体無いよ。それに音海さんに悪いし」

「何でそこに繭良が出てくるんだ？」

頭を傾げるろくろ君に私は苦笑した

音海さん、報われないなぁ

「鈍感だなぁ‥‥まぁ近い将来、君に運命の人が現れると思うよ？取り合えず私とはお友達から始めよっか」

「そうかなぁ‥‥？これからよろしくな‼えーと」

困った様に唸るろくろ君に私は思わず笑ってしまった

“あの人”には敵わないけどろくろ君は中々の美形だし優しいしそのやる気の無さを無くしたらモテるのに勿体無い

「未央、凛堂未央だよ‥‥よろしくね、ろくろ君」

「おう！よろしくな未央‼」


それから数ヵ月が経ち、ろくろ君の玉砕は7連敗まで増えたのだけど転校生がやって来た事でその記録は止まった

その転校生とは化野紅緒さん、京都からやって来たそうだ

ろくろ君、化野さん、音海さん、この3人は私達と違う雰囲気を感じる様になった

まぁ検討はついてるけどね

「おーい未央ー‼」

ろくろ君が大声で私を呼んだので振り返るとばつが悪そうな顔をしたろくろ君が

「どうしたの ろくろ君？」

「勉強、教えて下さい‼お願いします‼」

頭を下げるろくろ君に音海さんは？と聞いたら過保護な父親がいるらしく怖いからという理由でそこそこ頭が良い私に目をつけたようで‥‥

「だけどゴメンね？私、ちょっと親戚に呼ばれて学校来れないんだぁ。ちなみに転校なんだよ」

「はぁ!?マジかよ‥‥しかも転校!?」

「本当にゴメンね‥‥まぁ2年後には会えてるよ。絶対にね」

「お前がそう言うと本当になるから驚きだわ」

「予知少女、凛堂未央ちゃんってね☆」

「何かお前って変態パンツ男に似てるから殺意沸くわ」

最後の独り言は聞かなかった事にしてあげるよ


そして2年後、土御門島にて私はろくろ君と再会する

(何でここに未央がいるんだよ!?)
(ん？有馬叔父様に呼び出し食らったんだよ)
(有馬叔父様!?親戚って‥‥)
(土御門有馬だけど？)
(嘘だろおおおおっ!?)
(序に鸕宮天馬の恋人兼婚約者vV)
(‥‥もう何言っても驚かねぇ)

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