【双星の陰陽師】短編集

平凡少女の災難　鸕宮天馬 ページ1

はじめまして私、鸕宮家傘下の一つである家の当主の娘の未央と申します

容姿、能力、頭脳等々この土御門島の中で最大規模の家系である鸕宮家の傘下であり、その傘下の中でも鸕宮家と関わり深い家の当主の娘であろう者がこの平凡さ

祖母譲りの巨乳と呪力の質と大きさしか取り柄がない落ちこぼれございます

ですがこんな私でも家族は私を愛してくれるのだから幸せ者ですね

そんな平凡な私は今、どうしたら良いのか困惑中でございます

「お前、名前は？」「えっ‥‥？」

私の目の前には私なんかが写してはいけない程尊い十二天将、貴人の鸕宮天馬様

「名前、何て言うんだ？んん？」

「えっ‥‥あっ、凛堂未央と申します」

口調は至って普通に見えますがかなりテンパっています

てか何故私の名前を‥‥？

「凛堂未央ねぇ‥‥」

何やら考えている様子の天馬様

そういえば天馬様の趣味は勝手に人のあだ名をつける事だった様な‥‥

十二天将の皆様や私達傘下みたいに変なあだ名をつけるのだろうか

「よし‥‥未央‼」

「ひぅ!?‥‥な、何でしょうか？」

驚いて変な声が出ちゃったよぉ‼‥‥ん？

あだ名じゃ‥‥無かった？

「そう身構えるなって‥‥お前には暫く俺の近くに居てもらう」

そう楽しそうに笑う天馬様に私は見惚れた

だけどスルーしたら駄目な言葉があったよ!?

“暫く俺の近くに居てもらう”って何!?

「中々お前が成長しないからな‥‥俺の所の傘下だから俺が見る事になった」

「！‥‥お手数お掛けして申し訳ありません。天馬様は唯でさえお忙しいのに‥‥」

天馬様から告げられた言葉に私は思いきり頭を下げた

私なんかのせいで天馬様の時間が潰されるとか‥‥更に家に泥を塗る事になる

私は手を思いきり握り締め唇を噛んだ

すると握っていた拳を解かれ頭を撫でられた

恐る恐る顔を上げると天馬様は少し悲しそうであり寂しそうで、だけどどこか愛しそうに私を見ていた

「天馬、様‥‥？」

「俺はこれでも嬉しかったんだ。ずっとお前の事見てきたから‥‥どんなに悪口叩かれても折れずに凛と前を向く未央に惚れたんだ」

「えっ？」

「だから覚悟しろよ？‥‥じゃあな未央」

私の頬に軽く口付けて天馬様は不敵に笑って去っていった

それに何かと爆弾発言していきましたよね!?

「ああ‥‥もう分かんないよ」

多分これから心臓に悪い事が起きそうなので早々に強くなりたいです

心臓と私、そして天馬様の為になるから‼

私は強くなると心に誓ったのだった

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