捨てられた少女は幸せか？

第40話 妹 さとみside ページ46

Aの帰りが少し遅かった。

本人は委員会だと言ってるけど、どうも違う気がする。
少し考えてみるか…
2階から聞こえる声がデカくなったから、俺の部屋に4人集合してるんだろう。
羨ましい。

夕食を準備しながら、遅れた理由を考える。

いじめ？
いや、学校は楽しいって前言ってたからな…

先生から用事を頼まれた？
いや、体育祭のあと頼む鬼畜教師なんかいるか？

本当に委員会？
いや、係は部活ごとって言ってたし、委員会をする意味が無い。

部活のことで呼び出された？
…それ、隠す意味無いよな。

いくら考えても納得のいく答えが出てこない。
夕飯の時に聞くか…

＿＿＿＿＿＿＿＿

Aに聞いみたら

『同級生に告白された』

と言われた。
本気でびっくりして大声出しちまった。近所の人、すみません。

他の3人も聞いてなかったみたいで、とてもびっくりしていた。特にころん。
あいつは最初に会ったからか、本気でAのことを妹と思っている。
俺の妹だけどな！！！！

なーくんとジェルは「○したい」って言ってたけど、Aが「断ったからダメ」と言うと大人しくなった。表面上は。

彼氏にする奴の最低限の条件を出した時、Aの顔が「無理だろ」みたいな顔だった。
これでも最低限にしぼったつもりだけどな。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

夕飯のあと、人柄とシチュエーションを聞いてみた。

Aに告白したやつは、運動部で運動神経も良く、明るい性格、人によって差別をしないなどで学年の中での人気者らしい。

そんな奴に告白させるなんて、さすが俺の妹。
そう感心していると

ななもり「Aちゃんに彼氏はいらないんですぅ〜！」

って言ってなーくんがAに抱きついてた。
なーくんってAに対してスキンシップ激しい気がする。
まぁいつも少しイラッとするんだけど。

ジェル「じゃあそいつが女遊びの激しい奴やったらどうするん？すぐ捨てられるで？」

ころん「ジェルくんの言う通りだよ！Aが傷ついたところは見たくないもん！」

本気で心配＆嫌なんだな、Aに彼氏ができるの。
俺も嫌だから、どんな奴でも許す気は無いけど。

さとみ「とりあえず告白されたら断る。良い？」

『分かった…』

本人も分かったらしいし、この位にしておくか。
正直、告白したやつを殴りに行きたいけど、我慢しよう。

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