捨てられた少女は幸せか？

第10話 統一感 ページ16

さとみくんが選んでくれたのは、白に塗られた木のシングルベッド。「布団は他の色を今日買おうね」って。他の色かぁ、考えとかないと。

莉犬さんは白い外枠と、黒の内枠がある本棚を選んでくれた。結構可愛い気がする。
可愛いをよく知らないんだけどね。

なんか、私のことを考えて選んでくれたんだなって伝わって、嬉しくなった。

さとみ「Aちゃんはこれでいい？」

『はい、どれも好みで嬉しいです。』

さとみ「良かった！じゃあ会計、しちゃおっか！」

会計をすると、当たり前なんだけど結構な額で。
申し訳なくなったが、笑顔で払ってくれたさとみくんに感謝しかない。
後日、家に届くのが楽しみだ。

1階に降りて、布団を見る。
そこで布団を見ていると、4人が話し始めた。

さとみくんはピンクの生地にハートが書いてある布団を見て

さとみ「いや、ピンクだろ。可愛いし、女の子は好きじゃん。」

莉犬さんは赤と白のボーダーの布団を見て

莉犬「それはさとみくんの考えでしょ。女の子が全員しっくりくるのは赤色でしょ。」

ころんさんは灰色の生地に水色のしずく型が書いてある布団を見て

ころん「莉犬くんも似たようなもんじゃん。俺が選んだこれが1番だよ！」

るぅとさんは薄い黄色の生地に花の刺繍がされてある布団を見て

るぅと「これも良くないですか？可愛いですし、あのベッドの色にも合いそうです。」

『……あはは』

もう笑うことしか出来ないわ。
これ、いつまで続くんだ？

…本人達のイメージカラーに沿ってるのは何でだろう。

さとみ「Aちゃんはどれがいい？」

『へっ？』

ころん「確かに！」

莉犬「本人の意見が1番だからな。｣

るぅと「そうですね。」

『…この4つ以外は…』

4人「「「「無し！」」」」

『…う〜ん…』

悩んだ末、1番気に入ったのはころんさんのだった。
しずく型が好きで、バッグの柄にしてたから。

さとみ「はぁ！？しずく型好きだったの？？」

『はい…』

莉犬「くっそ〜…ってあれ？これ、他のカラーあるじゃん。」

「「「『え？』」」」

莉犬「ほら」

水色の布団がある下の棚に、数色ある。
その中にはピンク、赤、黄色もあった。

(嘘でしょ…)

さとみ「Aちゃん」

『は、はい…？』

さとみ「しずく型が好きなだけで、色は何でもいいよね？」

『え？あ、まぁ…はい』

さとみ「じゃあピンク〜」

ころん「はぁ！？それはおかしい！」

莉犬「そうだよさとみくん！｣

あぁ…終わらなそうだな…

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