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臣くんの顔を見上げると臣くんと目があって
恥ずかしくなって…下を向いてしまった。
「 どうした⁉ 」
『 ううん。何でもない……。 』
「 行くか! ほら‼ 」
差し出された手に戸惑っている私を見て臣くんが私の手を握ってくれた。
いわゆる恋人繋ぎで……指が絡まってドキドキ。
臣くん慣れてる。そりゃスタイルいいし。顔も小さいし……。彼女がいなかった時なんてなかったんだろうな。
『 うん 』
会場に戻るまでのタクシーの中ずっと……恋人繋ぎのまま手を繋いでくれてた臣くん。
ホッとした。
暖かい臣くんの手……。私の手と全然違う。
「 Aの手すっげぇ冷たい。冷え性⁉ 」
『 えっ⁉あっ、そうなの……私、小さい頃から冷たくて……亡くなった、お婆ちゃんに良く言われたんだ。手が冷たい子は心が狭くて冷たい子だって‼ 』
「 んな事ねぇよ!Aは心広くて、暖かい子だよ‼ 」
臣くん。カバーするのも上手いんだ‼
『 ありがとう 』
「 本当だし……。 」
『 ん。ふふ 』
「 笑うなよ‼ 」
『 ごめん。つい可愛くて……。 』
歳上のはずの臣くんがこの時は歳下に見えた。
この時までは凄く幸せだった。
ずっと傍にいれると思ってた。でも、現実はそんなに甘くない。
タクシーを降りて、楽屋に入ると細身の綺麗な女の人が臣くんの事をみると走って来た。
『 臣〜〜Liveお疲れさま〜〜。 』
「 梨乃……何で⁉お前、今LAじゃなかったっけ⁉ 」
『 帰ってきちゃダメだった⁉臣に会いたくて帰ってきちゃった♪♪ 』
「 そっか……。撮影⁉ドラマ⁉何で帰って来た⁉ 」
臣くんの彼女⁉私はただただ二人のやり取りを見ていた。
『 ねぇ⁉臣……せっかく帰って来たんだし今夜は、一緒に過ごそうよ。ねっ⁉ 』
「 はっ⁉何言って……
臣くんの言葉を遮って梨乃さんは私に分かる様にKissをした。
あぁ〜〜やっぱり彼女いたんだ。
いないふりしてたんだ……。
『 ……ッ……うっ……やだ……私、一人舞い上がって。
「 ちょ……待てって……
『 離して‼ ごめんなさい。帰ります‼ 』
楽屋のドアを開けて、あてもなく私は走ってた。
泣いて泣いて頭が真っ白。
『 そうだよ。臣くんは芸能人だよ⁉私、遊ばれてたんだ……。 』
泣くの疲れた。明日から笑おう笑って過ごそう少しだけ夢を見せてもらえた。そう思う事にしよう。
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作者名:結那 | 作成日時:2018年9月19日 0時