lesson28〜広臣〜 ページ28
ソロツアー始まって中盤……。
東京に戻って来て彼女がいる病院へ行けば「退院されたんですよ｣って看護師さんに言わ
れ俺は焦っていた。
何処に行ったんだよ⁉
なんで何も言わないんだよ。
俺ってそんなに頼りないのか⁉
彼女が何処へ行ったのか分かってるのは…事務所だよな。
ダメもとでHIROさんのに聞いてみるか……。
社長室の前……はぁぁぁ〜やっぱ此処は緊張する。そりゃ元EXILEだけどさ……奇策な人だけどさ…今は社長だよ‼あの顔で自分の名前言われると背筋もシャキとする。
あぁ〜もうあーだこーだ考えても仕方ない。
コンコン
「 どうぞ ｣
「 失礼します。登坂です。 ｣
「 おぉ‼登坂か…どうした⁉もうすぐ名古屋リベンジだろ⁉ ｣
「 はい。そのLiveに彼女を招待したいなと思いまして……。彼女、退院して病院にいなくて……住所知ってるの事務所くらいしかないかなと思いまして……Aさんの住所教えてもらえませんか⁉ ｣
「 個人情報だし……教えていいかどうかって所だけど。お前も必死なんだな⁉此処に書いてあるから‼ ｣
その住所を見ると名古屋市守山区と書いてあった。近いじゃん。名古屋から上京してたんだ。
じゃ、招待しやすいじゃん。
「 HIROさんありがとうございました‼ ｣
「 俺は別に何も…成功する事祈ってるからな‼ ｣
よしッ‼
とりあえず速達で出さないと間に合わない。変装も何もしず郵便局へ。
チケットと小さな紙に「 来てほしい｣だけ書いて封をして彼女に出した。
きっと、見てくれる来てくれる事を信じるしかない。
そして、8日Liveに招待した日。
楽屋でソワソワ……そんな姿に岩ちゃんが笑いだす。
「 臣さん、落ち着いて下さい(笑) ｣
「 えっ⁉ ｣
「 きっと、きっと来てくれてますよ ｣
「 なんだ⁉臣…彼女か⁉ ｣
「 えっ⁉まぁ…… ｣
直人さんまで笑いだす。俺って分かりやすいのか⁉直己さんも笑ってるし。
いてもたってもいられない俺は、こっそり外に出た。
居てほしい。まだ早いしFanの子もまばら……。
ガチャのあるスペースでアタフタしてる女性(ひと)をみつけた。
あっ、あの後ろ姿。Aいた‼
良かった‼来てくれたんだ。
「 あの⁉今一人ですか⁉ ｣
『 えっ⁉あっ……はい。 』
彼女は俺の姿を見て驚いている。
だよな。本番直前の本人が目の前にいるんだから。
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作者名：結那 | 作成日時：2018年9月19日 0時
