シンデレラガール

27 ページ27

「 ……みつけた。A逃がさないからな 」

社長が後ろから追っかけて来てるのもわすれ剛典くんの隣を歩いていた私。
手首を強く引っ張られ後ろを振り返ると社長が私を見て笑った。


「みつけた！ Aさぁ家に帰るぞ！！ 」


「 いや、離して下さい。帰りたくないんです。貴方に無理矢理抱かれるなら死んだ方がマシです！ 」


この人がAの？？
俺はこの人に嫉妬してたのか……。
あの日……初めてAを抱いた日…鎖骨の辺りにうっすら残る赤い痕が俺の心を掻き乱した相手がこの人なのか……。


「 アンタ誰だよ！？ 」


「 そういう貴方は？ 」


「 剛典くん……家の事務所の社長なのこの人 」


「Aお前が逃げたら……家に居るお姉さんとお母さんがどうなるか分かってるんだろうな？ 」


「………ッ………。 」


嫌！今日は今夜だけは彼と一緒にいたい。



「 社長……私は貴方の呪縛から解放されたい。もう彼と離れたくないんです。貴方から離れたいんです。 」


「じゃ、お姉さんとお母さんがどうなってもいいのか？ 」



「 お姉ちゃんとお母さんには関係ない！ これは私だけの問題じゃないですか！借金はもう返せてるはずです。 」



「 お前が俺の女になるって言ったんだ！
今更逃げれると思うな！ 」


あぁ〜もうダメかも……こんな話し聞いたら、剛典も引くよね！？私の事どう思った。嫌いになった？


隣の剛典くんを見ると社長を冷たい目線で見ていた。今まで見た事がない凄い冷たい目線で……

「嫌がってんじゃないですか！？ 貴方もれっきとした社会人！なんだから…嫌がってる相手無理矢理連れて帰る事ないんじゃないですか！？」


「お前も虜になったんだろう！？Aの身体に！ 」



「……ッ……」


確かに………そうだよ！
でも……お前みたいな……おっさんと違う！
守らないとAを男として……自分の玩具みたいな考えじゃない。


「 何も言わないと言う事は、そうなんだろ！？ 」


「俺は、本気でAが好きです。貴方には遊びに過ぎないかもしれませんが……。 今夜は帰ってもらえますか？ 」


「 Aよく考えるんだな。また迎えに来る… 」




「 もう帰りません。 」



「 俺は、手放す気はないよ！！ Aの身体は俺のものだ。 」



「俺も離す気はないです。奪われたら奪うまでです。 死ぬ気で奪いに行きますから！ 」


私は、社長と剛典くんの言い争いをただただ聞いているしか出来なかった。

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す