告ぐ。

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もう消えようかな。











父親は仕事、

母親は知らない男と遊びに出かけた隙をついて

俺は押し入れを抜け出してそんなことを考えながら、

家の前に座っていた。
















？「僕が君のパパとママ消してあげよっか_____」














俺が消えるつもりだったのに。









いつの間にか俺は、

俺じゃなくて、

父親と母親を消してしまった。

















自分は労せずとも、消してしまった。














？「自分の身はね、自分で守るしかないんだ。

君はそれをしただけ」


















あの人はそう言ったけれど、

どうにも罪悪感が拭えなかった。
















それでも、そんな自分さえ押し殺して

俺はただ平然とした施設での暮らしを装った。












他の子と同じように






学校に通って、

帰ってきたら宿題して、

遊んで、

夜ご飯を食べて、

お風呂に入って、

寝る。















ただ、違ったのは

頻繁にフラッシュバックを起こしていたことくらいで。











「はぁっ、…はぁっ、…っ、」













時を選ばないそれは、

学校であろうが、

みんなでいようが、

寝ていようが、

なりふり構わず俺を襲った。



















自分で消したはずの父親と母親が目の前に現れるんだ。














フラッシュバックが起きるってわかったら、

人目を避けることが第一。


















学校で授業を受けているならトイレ、と言って

施設でご飯を食べているならもういらない、と言って

抜け出して戻らなかった。















頻繁にそんなことをする俺だから、

周りの子からは集団行動ができないんだと言われて、

次第に煙たがられるようになった。















結局俺はどこまで行っても、

落ちるだけ堕ちたダメなやつだった。


















何もできない自分を守るために、

自分で親を消したのに、

自分の世界で親を蘇らせて勝手に苦しむような、

ダメなやつ。



















そんなレッテルを自分で何重も貼り付けた。

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