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ab「…はぁっ、……ふぅ、…あのね、目黒。
薬は、用量が決まってる。
飲みすぎたらだめなの、分かってたよね？」
分かってた。
でも、俺が分かってたのは飲みすぎれば"楽になれること"で。
"死ぬこと"ではなかった。
でも、床に散らばった吐物を見て
本当に死ぬところだったんだと思い知る。
「…しにたい、わけじゃっ、なかった、
っ、…ただ、おれは、らくになりたくてっ、」
そう言えばあべちゃんは俺をぎゅーっと抱きしめてくれた。
ab「薬を大量に飲んだって、楽になれない。
苦しんで死ぬだけ。死ぬのだけは絶対にだめ。
……でも、めめが苦しんでるのに気づけなかった、
俺らも悪かったね、たくさん怒ってごめんね、」
「…っ、ごめんなさいっ、…ごめん、なさっ、」
ab「うん、もうしないって約束してくれるならもういいよ、」
俺はあべちゃんの腕の中で思いっきり泣いた。
あと少しで死ぬところだったのがあまりにも怖くて。
ab「……もう泣かないでよ、笑」
少し体を離して、俺を覗き込んだあべちゃんの顔は
さっきとは違ういつもの優しいふわっとした笑顔で。
それに余計に涙が溢れてきた。
「…あべ、ちゃ、……こわ、っかっ、た、」
ab「んはは、怖かった？笑
でも怒らせたのめめだからね、笑」
なんて言いながら俺を抱きしめて、
背中を撫でてくれるあべちゃんはやっぱり優しい。
あれだけ本気で怒ってくれたのも優しいからなんだろうな。
結局俺はあのまま意識を失ったのか眠ってて、
気づいた時には病院のベッドにいた。
オーバードーズだし怖いから、って病院に運ばれたらしい。
ベッドの横にはあべちゃんがいて。
ab「あ、起きた？よかった、」
「ん、……ごめん、」
ab「めめの仕事、ちょっとの間お休みにしたよ」
「え、？」
ab「苦しかったんでしょ？」
聞けばマネージャーから俺の最近の現場での話を聞いて、
岩本くんと相談して決めたらしい。
ab「楽になる方法はいろいろある。
わからなかったら聞いて？
俺らが教えてあげる」
だからもうこんなこと2度としないで、って
俺をぎゅっと抱きしめるあべちゃんの声は震えてて。
もう2度と泣かせない、と心に決めた。
end.
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稲垣桜さん
リクエストありがとうございました☺️
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しなもん(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています。パスワード保護の付いてる作品が読みたいのですがパスワードを教えていただくことは可能でしょうか？🙇 (5月9日 0時) (
レス) id: 8bf628fa8e (このIDを非表示/違反報告)
れ(プロフ) - 船酔いのお話お願いします🙇🏻🙏🏻書きにくそうだったらぜんぜん大丈夫です！！ (5月6日 4時) (レス) id: 94b4ff295e (このIDを非表示/違反報告)
ぴこりーの - かわちいめめくん🥰 (5月6日 2時) (レス) @page35 id: a68e6058a0 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - どんなに体調悪くても仕事を優先する目黒くんのことが心配な康二くんと、いい争いになってしまい結局争ってる最中に立ちくらみを起こして、結局は看病されるお話をお願いします (4月22日 0時) (レス) id: 8e6e4b92e8 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこりーの - なぬ、好みすぎます！！ (4月9日 19時) (レス) @page30 id: b80339950c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろま | 作成日時：2023年12月27日 22時
