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Aside
無駄に広くて長い廊下に出た。
香織さんは、私たちの前を歩かない。
必ず後ろか横につく。
別に前を歩いてくれて全然いいのに。
海翔「A、久しぶりだな。」
貴「はい。お兄様。お元気でしたか?」
海翔「はは笑
ここには香織さんと俺とAしかいない。
もう敬語崩して良い。」
え。絶対に敬語で喋れって言われたのに。
貴「え。よろしいんですか。」
海翔「ああ。昔のように純粋に兄妹になりたい。」
貴「そうだね。お兄ちゃん。
あの頃は何も知らない、ただの子供だった。」
海翔「うん。
今は財閥の跡継ぎとか財閥娘とかが
離れない、離れられない鎖になってる。
逃げられたらどれほど楽か。」
貴「逃げたいって思っても逃げられないところまできてる。財閥の娘だからって名前で呼ばれなくなったしね。」
私たちは香織さんがいることを忘れて
ずっと話し込んでた。
気づいたら、香織さんはアイロンのかけられた
真っ白なハンカチで目頭を押さえていた。
そして、ドレスルームに着くと、
香織さんが涙声で
香織「こちらです。」
そう、何歳も年下の私たちに敬語を使って言った。
お兄ちゃんも香織さんが涙声なのに気づいていたが、
何も言わず、
海翔「ありがとう。」
そう告げた。
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日向さな(プロフ) - 続き気になります!! (2020年9月28日 21時) (レス) id: f85ac14a0e (このIDを非表示/違反報告)
七海 - 凄く面白いです!続き気になります。更新待ってます (2018年10月14日 12時) (レス) id: d69e9aa2b3 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まなみ(プロフ) - もっと見たいですよろしくお願いします (2018年9月13日 22時) (レス) id: a9c7223d79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星華 | 作成日時:2018年5月13日 14時