Lie (ページ41)

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34話ページ41

微かに聞こえた声に私の足はピタッと止まる

GS「ごめん」

少し震えたような声で言ったギョンスさん
その意味が分からなくて振り返ると

目から落ちる涙…
何かあったんだそうだよね？

少し下を向いてまた「ごめん」と謝った
それと同時にエレベーターの扉が閉まる

タイミング良くブーブーと鳴るスマホ
そこに表示された名前はレイさん

私は馬鹿だ。

何が吹っ切れただ。
ギョンスさんが辛そうなのが私まで辛くて苦しくて

鼻がツーンとする

私は迷わずスマホの電源を切って
エレベーターのボタンを押す。

さっきよりも涙を流していた。

私に気付いて少し驚いたあとすぐ
涙でぐしゃぐしゃになった顔でニコッと笑うギョンスさん

最近様子がおかしかったから
そのせいなのかは分からないけど辛いのは伝わって

私はそっと顔に手を添えた
Aギョンスさん

また鼻がツーンとする。

GS「なんで泣くの」

あ、私泣いてるのか…

『分からない』

無理に笑うもんだから
言葉にできない何かが私を苦しくさせる。

GS「ごめんね…」

さっきとは違う感じで
何かを決めたかのような言い方だった

『…何が…』

GS「今から僕がする事全部に」

今ならまだ間に合うから…と

私はその言葉が少し分かるような気がした。
今日この1日、いやこの一瞬だけは素直になっていい気がした。

私達の関係が壊れるとしても
この瞬間だけは二人の世界だと思って私は答えた。

『いいよ。今この瞬間だけ受け止めるから。』