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11.ビター100% ページ11




ジョングクは、何をやらせても卒なくこなすし、おまけにあの整った容姿。女が放っておかないわけがない。


言わずもがな、昔からモテモテだったジョングク。バレンタインの時期が私には地獄だったっけ。


あれは中学2年だったかな。紙袋いっぱいにチョコを貰ってくるジョングクのチョコを消費するのがお決まりだった。


「うわ、これいちご味?俺無理」


生チョコにトリュフにクッキー……どれもこれも綺麗に包装されていて手紙まで付いてる。あの頃のジョングクは少し天狗で、手紙なんて読まずにポイ、だった。


『ひどい男だ〜』

「女子って大変だな。毎年作ってさ」


ベッドに寝そべりながらゲームに夢中のジョングクは、その言葉に女子たちの純粋な想いは届いていないみたいね。


『それを私に食べさせるのも最低』

「ごめんって」

『…バレたら私たぶん殺 されちゃう』

「んー、俺がいるから大丈夫だよ」

『何言ってんの』


その頃の私はそんな些細な言葉にときめいた。だって好きだったから。
ジョングクが、ユキのことを好きなのは知ってる。だから告白したって今の関係が壊れちゃうのはその時期の私の心が到底耐えられないと思ったから、1番の友達のポジションを必死で守っていた。


「…でも俺、1番貰いたい人には貰えてないよ」


じっとジョングクの大きな瞳が私を見つめる。その言葉にどんな意味が込められているのかなんて薄々わかっていたけど、私は照れくさくて目を逸らした。


『そ、そうなんだ、貰えるといいね』


どうせ、ユキのがほしいんでしょ。私が促せと?…そうに決まってる。


私のなんて"その他大勢"の部類にポイ、だ。


チラリと、リュックの中を見た。
本当はジョングクのためにクッキーなんて作ったりしたけど、これはあげられそうにないや。


その夜私は、ゴミ箱にそのまま渡すはずだったジョングクへのクッキーを捨てた。もう半ば不貞腐れて、やけくそだったと思う。


…それを見ていたユキが、そのあとそれを自分が作ったと言ってジョングクに渡したのは本当に腹が立つ話なのはここだけの話ね。


次の日、それはそれは嬉しそうにその事を話すジョングクに泣きそうになった。…泣かなかったけど。


それ、私が作ったの。なんて言えなくてただただ良かったね、と言うしかなかった。



車からユキが私のことを笑ってみてた。
ユキも、それはそれは嬉しそうに。満面の笑みだった。


甘さなんてない、苦いだけの思い出



.

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あゆみ(プロフ) - とても面白いです☆ハマりました。更新楽しみしています。 (2017年12月12日 8時) (レス) id: 86fa8a8f70 (このIDを非表示/違反報告)
Marin(プロフ) - とても面白いです!更新本当に楽しみにしております!これからも頑張って下さい!応援しております! (2017年12月10日 20時) (レス) id: 19cce465dd (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - とてもおもしろいです!更新楽しみにしております!(*^ω^*) (2017年11月15日 23時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
ユニ(プロフ) - こちらこそすみません。これからも投稿頑張って下さい!応援しています!^^ (2017年8月29日 21時) (レス) id: 6828dd9952 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ななさん» ありがとうございます! (2017年8月29日 19時) (レス) id: e2425b42ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:R | 作者ホームページ:http://twitter.com/12O4cm  
作成日時:2017年8月27日 14時

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