1.それはもう、幼い夏の記憶 ページ1
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それはもう、幼い夏の記憶。
額から流れる汗を拭いもせず、容赦なく照らす太陽の下、木の影に隠れてじっとしていた私は、蝉の大合唱に耳を傾けていた。
隣で一緒に隠れていた二つ下のナビちゃんが楽しそうに笑っている。そんなんじゃ鬼のジョングクに見つかってしまうのに。思わずしーっと人差し指を唇に当てた。
神社の御神木でもある大きな桜の木の影は、思ったより隠れるのに適していたらしい。いつもなら鬼のジョングクはすぐ私を見つけてしまうのに、その日に限ってジョングクは私(とナビちゃん)を見つけられないみたい。
痺れを切らした私は、そっと木から顔を出して周りを見てみる。
…あ、ユキは鳥居の影に隠れてる。
本人は上手く隠れたつもりなんだろうけど、鬼じゃない私が見つけられたんだからすぐに見つかってしまうだろう。
その時丁度、境内に上がって来たジョングクが案の定すぐに、ユキのことを見つけた。
「ねー、Aちゃんどうしたの」
ワンピースの裾を引っ張りながらナビちゃんも木から顔だけ出した。
『ユキ、もう捕まっちゃった』
「あ、ほんとだ。…早くグクオッパ、わたしのことも見つけに来ないかなー」
ナビちゃんがつまらなそうに言った。
鳥居の前でユキとジョングクが何か話してる。何を話してるかはこの距離じゃ分からないけど。
風が吹いて、御神木がざわざわ、と葉を揺らした。
…あ、
私はその一瞬を、永遠に忘れないだろう。
ジョングクがユキの両手を取って、顔を寄せる。そして、
…ジョングクと、ユキがキスをした。
私は瞬きをすることも忘れて2人を見ていた。名残惜しそうに離れるジョングクの照れた笑顔。…そんな顔私にはしないくせに。
「ナビ、飽きたから帰るー！」
その場面は見ていなかったらしいナビちゃんは、あまりにも見つけに来ない鬼に飽きてそのまま神社の裏道を通って帰ってしまった。
ナビちゃんが帰ったことで、他に隠れていた友達もみんな帰っていった。
…ユキも、ジョングクも。
私は動くこともできず、暫く御神木に体を預けて思考を止めた。
…あれは私達が小学6年生だった時の話。
幼い夏の、甘くて苦い記憶。
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愛を知らない僕達は -JK-
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あゆみ(プロフ) - とても面白いです☆ハマりました。更新楽しみしています。 (2017年12月12日 8時) (
レス) id: 86fa8a8f70 (このIDを非表示/違反報告)
Marin(プロフ) - とても面白いです！更新本当に楽しみにしております！これからも頑張って下さい！応援しております！ (2017年12月10日 20時) (レス) id: 19cce465dd (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - とてもおもしろいです！更新楽しみにしております！(*^ω^*) (2017年11月15日 23時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
ユニ(プロフ) - こちらこそすみません。これからも投稿頑張って下さい！応援しています！＾＾ (2017年8月29日 21時) (レス) id: 6828dd9952 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ななさん» ありがとうございます！ (2017年8月29日 19時) (レス) id: e2425b42ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作者ホームページ：http://twitter.com/12O4cm
作成日時：2017年8月27日 14時
