第四十九話 ページ6
一人拠点に戻ってきた青鬼は仮面を外し、設置したモニターを見やる。
配信はまだ続いているはずなのに、画面の向こうの二人に動きがない。
耕一は眉を顰め、画面を睨む。
残り時間はあと三十分。
まさか、諦めたとでもいうのか。
Aが撃たれた後、全員がモニターから目を離していた時間があった。
その間に何かあったのかもしれない。
「……はぁ」
自分は青鬼であり、人質であるAに対して特別な感情を抱くべきではない。
だが、止められなかった。
耕一はつい先ほど、彼女を抱きしめた自分の手を見つめた。
☆
五分ほどすると、みさきと孝が拠点に戻ってくる。
「……手術はまだ終わってないよ」
そう声をかけたのはみさきだ。
「そうですか」
「ねえ、あんた大丈夫？」
「ええ。何も問題ありません」
そう答えて、耕一はモニターに向き直った。
そこには、いまだ全く動かない武蔵と播磨の姿があった。
異変が起きたのは、そこからさらに五分ほどたった時のことだ。
残り時間を表すカウントダウンが急激に速度を上げた。
「トラップが作動した……？」
「爆弾を解除しようとしてる？」
言うが早いが、孝は自身のPCを確認する。
「どういうこと？」
焦るみさきとは対照的に、耕一は黙ってモニターを睨んだ。
数十秒ほどで、播磨の親指が瞬時に移動したことに気づく。
「……なるほど、ループ再生です。相変わらず姑息な手を使いますね。解除できますか？」
「ああ」
耕一から声をかけられた孝が、PCを操作する。
「切り替わるぞ」
『私だってあんなことから抜けたかったんだ！話をつけるつもりだった！』
響いたのは、播磨の怒鳴り声。
『ホテルオシマの件もそうだ！全てP2計画のためだったんだ！！』
「よし……！」
「言ったな」
望んていた単語が出たことで、三人の目の色が変わる。
「タイマー止めるか？」
孝が耕一に訊ねた。
「いえ……せっかくですから少し遊ばせましょう。追い詰められた院長がもっと情報を漏らすかもしれません」
「そうだな」
三人はそのまま取調室の様子を見る。
爆弾を解除することを諦めた武蔵は、爆弾に小細工をして播磨とともにその場を離れるつもりらしい。
『一、二……』
数秒武蔵の動きが止まる。
「爆弾を止めてください」
『三！』
取調室に何も起こらないことを確認したあと、「配信を切ってください」という指示を残して耕一は拠点を後にした。
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月乃派(プロフ) - そらえびさん» ありがとうございます！！！そらえびさんは神か？？？ (3月24日 20時) (
レス) @page31 id: 67461f2801 (このIDを非表示/違反報告)
そらえび(プロフ) - 月乃派さん» リクエストありがとうございます！設定上全編通しては難しいのですが、少しだけ書きます！ (3月24日 16時) (レス) id: 034df459ee (このIDを非表示/違反報告)
月乃派(プロフ) - あのー、できれば新航空占拠もやって欲しいです。時間めっちゃかかってもいいのでもし、よければ何卒お願いします🙇 (3月16日 23時) (レス) @page30 id: 67461f2801 (このIDを非表示/違反報告)
そらえび(プロフ) - minbutahuikbさん» ありがとうございます！ (1月17日 15時) (レス) @page30 id: bea40306cd (このIDを非表示/違反報告)
minbutahuikb(プロフ) - 凄くおもしろかったです (1月16日 8時) (レス) @page30 id: 5e3e8dde78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらえび | 作成日時：2023年12月4日 22時
