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---やぶ
夜の街はしんしんと冷え込んでいる。
そいつは人目を避けるようにして自動販売機の陰に身を寄せ、手を擦り合わせている。
もうすぐ12月だというのに、薄手の紺色のジャケット一枚だけを羽織って寒そうに肩をすぼめていた。
よく見ると、ジャケットはどこかの学校の制服らしい。
ぷっくりと厚みのある金色のボタンと、何か複雑な柄のエンブレムが縫い付けられている。
でも、そのジャケットの裾や袖口はえらく痛んでいて、ろくに洗っている様子もない。
俺はコンビニで買った温かいコーヒーとおでんを立ち食いしながら、そいつから目が離せない。
年頃は俺と同じくらい。14か15か16か。それくらい。
制服着てるってことは、家出？
そいつは両手にふうっ、と息を吹きかけて、手をこすり合わせているが、体温を上げるにはあまり効果はなさそうだ。
唇は青ざめていて、栄養の悪そうな顔色をしている。
「おい、おまえ、腹減ってんのか」
つい、声をかけた。
そいつは不意に声をかけられて、ひどく驚いた様子だったが、俺に気づくと八重歯を見せて人懐っこい笑顔をみせた。
鼻がスッと高くて、瞳はぱっちりと大きい。
「……お客さんかと思った。びっくりした」
「お前、客、ひいてんのか」
文無しの子供ができるのは、身体を売るくらいしかない。よくある話。
俺がそっちに手を出さなかったのは、こんな性格とこんな見た目のせいだ。
どうやっても可愛いとは言えない俺が路上に立っても、儲けになるとは思えなかった。
こくりと頷くそいつに、食うか？と、湯気の立つおでんを見せると、遠慮がちにそろそろと俺のそばに寄って来た。
「食べていいの……？」
「いいよ、今日は俺がっつり儲けたし。おごってやる」
そいつにおでんの入った容器と割り箸を押し付けると、うれしそうに「ありがと」と頭を下げてから「ふーふー」と食べ始める。
―――あ、こいつ、俺とおんなじ左利き。
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しろくま(プロフ) - 有さん» 有様、蔵之介様も素敵ですね！出来れば蔵之介様にはちぃ様を手込めにして欲しい←病気。情報屋のお話しはまた必ず書きますので、よろしくお願いいたします！懲りずに短編を連載中なので、そちらも。宣伝(笑)コメントありがとうございました！ (2018年1月9日 7時) (
レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - ありこさん» ありこ様、おはようございます。前作、めっちゃ長かったのに、ファンなんて…嬉しくて倒れそうです。ありがとうございます。少し時間をおいて、またこの二人でお話を書きますので、ぜひまた遊びにきてくださいね！きゅんきゅんしていただけるように頑張ります。 (2018年1月9日 7時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - まっつんさん» まっつん様、おはようございます！楽しんでいただけて嬉しいです★今回はどーてーを光君に捧げる薮様がメインテーマと言う妄想話です(笑)どうぞこれからもよろしくお願いいたします。コメントありがとうございました！ (2018年1月9日 7時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
有(プロフ) - あぁぁぁあー長瀬くん！！なるほど！私の脳内では勝手に佐々木蔵之介さんに変換されてました。笑 とっても面白くて、毎日楽しみにしてました！ありがとうございました！！わがままですが、情報屋の続きをもっと読みたいです(●´ω｀●) (2018年1月9日 1時) (レス) id: 074c0f6b92 (このIDを非表示/違反報告)
ありこ(プロフ) - はじめまして、前作からしろくまさんのファンです。2人の出会いからラストまで始終可愛いくてきゅんきゅんしました。とても面白かったです。素晴らしいお話をありがとうございました！ (2018年1月8日 23時) (レス) id: 0a1f704509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろくま
| 作成日時：2017年12月26日 1時
