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夏休みの友【高校生設定】 ページ1




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夏休み。

いい響きだ。

俺は自転車を立ち漕ぎして、全力で坂道をかけ上る。
坂の上の、海の見える公園でひかるが待ってるんだ。

今日は一日中ひかると過ごす約束をしている。
イツメンみんなで遊ぶのはもちろん楽しい。
だけど、ひかると二人だけって考えたら、それだけで心も体も浮き立ってくる。

「やぶ!」

待ち合わせの公園に着いた途端、笑顔でひかるが駆け寄ってくる。

あぁ、待っていてくれたんだ。
俺だけを。
そう感じた。

「ひかる!」

昨日もみんなで遊んだのに、何年も会えなかった恋人みたいにひかるを抱き締めた。

自転車が大きな音を立てて倒れたけど、そんなの気にならない。

「やぶ、そんなに腹へってんの?」

抱き締められたまま、ひかるは左手に下げた籠を持ち上げる。

「お弁当作ってきたから、あとで海を見ながら食べよ?」

眼下の夏の海は眩しくきらめき、風がひかるの髪を揺らす。

汗だくのまま〈友達〉を抱き締めていたことに気づいて、慌てて離れる。

「悪い!なんか、変に嬉しくなって」

言い訳しながら倒れた自転車を戻す。

「ごめんな」

ゴニョゴニョ謝る俺に、ひかるは先にたって歩きだす。

「いきなりハグなんて、少女マンガの主人公かよ!やぶが告白するんじゃないかーって、ドキドキしちゃった」と笑いながら弁当の入った籠を抱える。
「あんなことしたら、誤解されるよ?やぶ、気をつけろよ」

…ひかるの背中ってこんなに小さかったっけ。

俺は大股で自転車を押してひかるに追い付く。しばらく並んで歩き、ひかる、と呼んだ。

「ひかるも弁当なんか作って来てさぁ、そんなことしたら俺単純だから、すぐ好きになっちゃうぞ?」
「だからぁ、そーゆーこと言うと誤解されんだよ」
「誤解じゃねーよ。俺、今ひかるに告白してんの。好きなんだよ、ひかる」

ひかるの足が止まる。


この瞬間、まだ〈友達〉のひかる。


でも、きっと次に歩きだした時には、俺の隣には〈恋人〉がいるはずだ。

差し入れ【リアル設定】→



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しろくま(プロフ) - ◇さん» ◇さま、コメントありがとうございます。お褒めいただき嬉しく思います。今日は2人の結婚記念日でもあります。ステキなクリスマスをお過ごし下さい。 (2022年12月25日 7時) (レス) @page49 id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最終話のタイトル回収があまりにも美しくて…。執筆お疲れ様でした!次回作も心待ちにしております (2022年12月24日 2時) (レス) @page48 id: 3e4ffd633a (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 9さん» その涙はひかちゃんのハンドタオルで拭いて差し上げます🥰 (2022年10月24日 13時) (レス) @page44 id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
9(プロフ) - …滂沱……最高です! (2022年10月24日 9時) (レス) @page44 id: a1a90f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - ちちちさん» ちちち様、ありがとうございます。どうしても薄暗い健吉ひかる…。次は甘々の二人を!!! (2022年7月27日 8時) (レス) @page35 id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろくま | 作者ホームページ:___  
作成日時:2021年8月13日 21時

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