episode11 ページ35
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---hk side
自分ちに、やぶがいる──。
それはまるでおでんに北京ダックを入れたような、ヘンテコな組み合わせに思えた。
見慣れたソファにやぶが座って、焼酎をチビチビ飲ってるなんて、昨日のおれには想像もつかないことだもん。
やぶはゆうとさんと向き合い、低い声で話してる。
キッチンまでその声は聞こえないけど、きっとおれには分かんないような、難しいお話しなんだろうな……。
笑った時のやぶも素敵だけど、こんな真剣な顔もクールでめためたカッコ良くて──って、おれまたヘンテコなこと考えちゃってる！！
カァッと顔が熱くなっちゃう。
急いで視線を手元の浅葱に戻し、小口切りに集中する。
「何ため息なんかついてんだよ、キモっ」
手際よくジャガイモを剥きながら山田が言う。
「……おれ、ため息ついてた？」
「自覚ねぇのかよ。はぁぁぁぁって、デッケェため息ついてたじゃん」
サッカー選手にならなかったら、料理人になりたかったって言うだけあって、山田は器用にペティナイフを操り、ジャガイモの形を均一に整えている。
口は悪いけど、きれいに揃ったそれを見れば、本当は真面目で繊細な性格なんだってわかるよね。
｢ため息なんかついてる場合じゃねーだろ。もうアサリ、頃合いじゃねぇの｣
ハッとして火を止める。
アサリはいい感じに口を開けて、ふっくらと蒸しあがっていた。
あらかじめ準備していた大皿に盛り付けて浅葱と白髪ネギをたっぷり乗せ、山田に｢運んでもらってもいい？｣と頼んでみた。
キッチンから出て、やぶのところに行くのが怖かったから。
山田は肩を竦め、｢あきれた｣と言い捨てた。
｢〈アツアツを召し上がれ〜〉とか言ってんの、自分だろ｣
ホラ、とリビングの二人に目を向ける。
「──好きなヤツには、アツアツの一番美味しい状態で食べて貰いたいじゃん」
山田はジャガイモを剥く手を止めない。
ほんのりほっぺたが赤いのは、きっと、山田も心を込めた料理を、好きな人に美味しくアツアツで食べて貰いたいからだ。
「そうだね、山田の言うとおりだね。これ、運んで来るよ」
そう声をかけると、山田は初めて笑ってくれた。
ドキドキしながらアサリの酒蒸しを盛り付けた青い大皿を両手で抱えるようにしてリビングに行く。
「アサリの酒蒸しだよ、アツアツを召し上がれ」
テーブルの真ん中にそれを置いて、急いでキッチンに戻ろうとしたおれの手をやぶが掴んだ。
熱い手のひらにしんぞーが爆発しちゃいそう。
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しろくま(プロフ) - Ｑさん» Ｑ様、あの相合い傘をどうにかお話に入れたくて、こうなりました！アツアツの2人はいつまでもアツアツのままです！😊 (2022年1月24日 19時) (
レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - キャーーー！ご結婚おめでとうございます！！ (2022年1月24日 8時) (レス) @page50 id: a1a90f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - べすさん» べす様、ご覧いただきありがとうございます。今まで書いた中では一番糖度の高いひかにゃを目指していたので可愛いとお褒めいただけ、嬉しい限りです。そして夜分遅くに、我慢出来ずぶっ込みました。実現する日が来ますように。 (2022年1月18日 22時) (レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
べす(プロフ) - しろくま様＊おひさしぶりです｡完結おめでとうございます｡読ませていただきました｡応援したくなるくらいふたりが可愛くて面白かったです｡“夜分遅くに“を入れてくるしろくま様の機動性はさすがですネ^^｡ (2022年1月17日 23時) (レス) id: d251bf862e (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様、チュー迄で終わってしまった自分が悲しい…次は必ずベッドにたどり着くよう頑張ります。夜分遅くに、リアルで実現する日を待ち焦がれています！最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。 (2022年1月17日 10時) (レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
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