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好きだ。
テレビ局の廊下で感じた衝動が、たった数時間のうちに俺の中に根を下ろし、青々と育ち、この芝生のフィールドのように広がっている。
俺はヒカリンの隣に座り、同じように膝を抱えた。
柔らかな新芽の芝生は想像よりもフンワリとした座り心地だった。
「座ってみるとマジで芝生って気持ちいいなぁ。ヒカリンの言う通りだな」
吹き抜ける風も気持ちいい。
「えー？芝が気持ちいーって教えてくれたの、やぶさんじゃん」
クックッと細い肩を揺らすヒカリンの口調がいくぶん砕けている。
少しは距離が縮まった気がして嬉しくなった。
こんなことで嬉しくなるなんて、俺もまだまだガキ臭い。
そう自覚しても、やはり〈好きな人〉との距離が近くなれば、気持ちが舞い上がるのは仕方ない。
「なぁ、俺のこと、〈さん〉付けなくていいからさ、やぶって呼んでよ。俺もヒカリンって呼んでるし」
そう言って様子を伺えば、長いまつげをパチパチさせて「やぶさんみたいな人を呼び捨てなんて……無理」と困っている。
困り顔も可愛い。
「俺〈みたいな人〉ってなんだよー！失礼だなー！」
ふざけた振りをしてギューッと抱きついてやったら、慌てたみたいに「や、やぶ！」って小さく叫んだ。
「そうそう、その調子。〈やぶ〉でいいからな」
満足して腕をほどくと、ほんのり頬を染めたヒカリンは上目遣いに「じゃあ、やぶはおれをひかるって呼んでよ」と言った。
その上目遣いに尻の辺りがこそばゆくなる。
「ひかるって、本名なんだよな？」
「うん。東京でおれのことひかるって呼ぶのはいのちゃんと大ちゃんだけなの。だから、やぶさん…やぶは三人目ね」
「なんだよー、俺が初めてじゃねーのかよー」
がっかりして足を投げ出す。
山田がインタビューを受けながら呆れたようにこちらに視線を向けていた。
それに気がつき、ふとさっきひかると山田が並んでいたことを思いだした。
何を話していたんだろ。
山田は『サッカー界の料理王子』と言われるほどの腕前だ。
自分で料理するのも健康管理の一環で、ストイックな山田らしい。
そんな山田とひかるなら、面白くて美味しい料理が作れそうだよな。
「さっき山田と何話してた？」
「え？あの、ちょっと挨拶しただけ……」
「じゃあさ、あとでちゃんと山田とゆーりの二人を紹介するな」
頷くひかるに気を良くして、こちらに視線を向ける山田に小さく手を振ってやったら、べーっと舌を出してそっぽを向かれてしまった。
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しろくま(プロフ) - Ｑさん» Ｑ様、あの相合い傘をどうにかお話に入れたくて、こうなりました！アツアツの2人はいつまでもアツアツのままです！😊 (2022年1月24日 19時) (
レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - キャーーー！ご結婚おめでとうございます！！ (2022年1月24日 8時) (レス) @page50 id: a1a90f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - べすさん» べす様、ご覧いただきありがとうございます。今まで書いた中では一番糖度の高いひかにゃを目指していたので可愛いとお褒めいただけ、嬉しい限りです。そして夜分遅くに、我慢出来ずぶっ込みました。実現する日が来ますように。 (2022年1月18日 22時) (レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
べす(プロフ) - しろくま様＊おひさしぶりです｡完結おめでとうございます｡読ませていただきました｡応援したくなるくらいふたりが可愛くて面白かったです｡“夜分遅くに“を入れてくるしろくま様の機動性はさすがですネ^^｡ (2022年1月17日 23時) (レス) id: d251bf862e (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様、チュー迄で終わってしまった自分が悲しい…次は必ずベッドにたどり着くよう頑張ります。夜分遅くに、リアルで実現する日を待ち焦がれています！最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。 (2022年1月17日 10時) (レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
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