イリュージョン【宝石泥棒のybhk】 ページ36
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｢…お客様。お帰りはあちらでございます｣
穏やかな声に背筋が凍った。
振り返ると人畜無害な微笑を浮かべた背の高い執事が、白手袋でドアを指す。
上品さと事務的な仕草が黒いタキシードによく似合う。
紳士淑女が集うクリスマスパーティーは華やかなイリュージョンに盛り上がり、誰も地味なおれになんか気にもしていないはずだった。
おれは頃合いと見て、一仕事しようとお屋敷の二階に上がろうとしていた所だった。
二階の東端の部屋には見事なエメラルドの指輪が隠されている。
これがおれの今夜の獲物だった。
｢…なんで気づいた？｣
仕事はあきらめましたよ、と肩を竦めたおれに、執事の男は優雅に一礼し、顔を上げた。
それは取り澄ました執事ではなく、暗闇を射抜く油断のない男の顔だった。
｢同業だからな｣
ニヤリと薄い唇を歪めた男は上着のポケットからチラリとエメラルドを覗かせた。
｢…お前！それはおれが…！｣
思わず声を張ったおれの唇を、やつは素早くキスでふさいだ。
｢お客様、お帰りはこちらへ…私がお連れいたしましょう｣
会場から大きな歓声があがる。
どうやらイリュージョンはまさに山場のようだ。
そのまま白手袋を嵌めた手に肩を抱かれて連れ出される。
クリスマスの夜、魔法のようにお屋敷から姿を消した執事の正体はおれしか知らない。
恋人はサンタクロース【リーマン設定】→←がおーがるる【ケモノ設定】
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しろくま(プロフ) - Ｑさん» Q様、冬空ははじめはもっとダークな感じだったんだけど、締めのお話にこれはない！と気づいてあんな雰囲気になった次第です。でもなんかまだサウナについては消化できてない！！きっとまた書きますわ… (2021年2月19日 8時) (
レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - SK329さん» SK329様、ありがとうございます。公式が妄想みたいな今日この頃、ネタに困らない反面公式にノックアウトされつつ書いたお話ばかりで…(笑)寝室は完全に｢お、おまたせ｣リプに触発されたお話です。リボンをかけて捧げます。 (2021年2月19日 8時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - ちちちさん» ちちち様、最後までお付き合いいただいてありがとうございました。どれか一つでもお気に召すものがあれば嬉しい限りです。ソロキャンネタのお話はちちち様に捧げます〜。公式のドラム缶風呂にノックアウトされましたが…(笑)あの頃は想像できなかった…。 (2021年2月19日 8時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - しろくまさん» 冬空、途中まで笑ってたけどラストの一行でシーンってなったわ、まさしく冬空！ちねたん視点良かったです。そして山海読んでまた泣いてた。これは本当に泣けるわ~ベルトが落ちる音も復習したし…ショタやツバメやジョセフや…色々思い出しつつ最初から読み返してます (2021年2月18日 23時) (レス) id: a1a90f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - 完結おめでとうございます！心からどれも大好きです！けど、どれかひとつと言われたらキッチン寝室です＞＜ リアルな生活感大好物ですっ。 (2021年2月18日 23時) (レス) id: 84f428f697 (このIDを非表示/違反報告)
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