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「ひかる〜」
イノオに呼び止められたひかるは、咎められた訳でもないのに、咄嗟に「ゴメン」と謝った。
「レコーディングの日、いのちゃん、おれのこと心配してくれたのに、ちゃんと返事できなくて」
「あの時ねー。ひかるがソワソワしてるから、やぶのヤローがまた何かしでかしたんだろって思ってさぁ。そしたら結果、正解だったし」
2人で苦く笑って、ほかのメンバーがやぶに絡んでいる様子を何となく2人で眺めた。
「しんどい時にはしんどいって言っていいんだよ」
思いがけない言葉に、ひかるはイノオの顔を見た。
「……おれ、しんどいのかな」
「自分のことがわかってないのかー。そういうとこ、マジでやぶといい勝負だよ」
それだけ言って、イノオは「大ちゃ〜ん、メシ行こー」と叫んで、やぶに絡んでいた大ちゃんを引き剥がして出て行った。
そのタイミングと合わせて、「ひかる」とやぶが呼ぶ。
「ひかる、今夜は鍋食べたい。つくね入れて」
「おい、なんでおれがメシ作る前提なんだよ」
「そーゆー気分だから。それに一緒にいた方が早く記憶が戻りそうじゃん？」
やぶひか〜、と囃し立てるメンバーに「うぜーからやめろ」と一つ吠えてみせ、それから「つくねじゃなくて、きりたんぽ鍋な」とやぶに言った。
冷蔵庫には親戚が送ってきたきりたんぽがあって、近々鍋を作るつもりではあった。
──やぶのためにわざわざ作るわけじゃないから。
「きりたんぽ！それ食べたい」
無邪気に喜ぶやぶを見ていると、うっかり口角が緩みそうになる。
慌てて口元を引き締めて、20時に来いと伝えた。
「え！俺、これからひかるトコ行くよ！買い物するんだろ？荷物くらい持つよ」
嬉しげにそう言って、やぶは当たり前のように「一緒に行こ」と肩を組んだ。
「Jrの時みたいだね」
その姿にたかきが呟き、他のメンバーも大きく頷いた。
ひかるはやぶに肩を抱かれたまま会議室を出た途端、足早になってしまう。
鶏肉買わなきゃな。
いつものスーパーじゃなくて、肉屋に行ってみよう。
美味い鶏肉扱ってたはず。
急足になったひかると、同じように早足で歩きながら、「鍋楽しみだなー」とやぶは笑顔を向ける。
「ひかると鍋なんて、チョー楽しみ」
「お前、病人なんだから、少しは大人しくしてろよ」
「あー、早く食べたいなー」
二人が並んで歩く姿を、すれ違う事務所のスタッフ達は温かい眼差しで見送る。
マネージャーもニコニコしながら、二人をひかるのマンションに送ってくれた。
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しろくま(プロフ) - ちちちさん» ちちちさま、ノロノロと書いていくので遅いですが必ずひかちゃんを幸せに致します。どうかお付き合いください (6月24日 0時) (
レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - kirinsanmoさん» kirinsanmoさま、コメントありがとうございます。ゆっくり更新ですが楽しんでいただけると嬉しいです (6月24日 0時) (レス) @page4 id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - ああありがとうございます!ありがとうございます…大切に読んでいきます! (6月18日 23時) (レス) @page3 id: 3093699708 (このIDを非表示/違反報告)
kirinsanmo(プロフ) - どんな展開になるのかワクワクします、、更新楽しみにしてます！ (6月8日 18時) (レス) @page3 id: 4bf1b7a22e (このIDを非表示/違反報告)
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