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「……ごめん！やぶ、受診行かないと！」
ハッとして体を起こしたひかるは、焦りながら乱れた服を整える。
「シャワーして来いよ！着替え出しとくから！」
「えー、もうちょいイチャイチャしよーよ、ひかるぅ」
「ざけんな！少しは慌てろよ！」
「だってさぁ、気持ち良かったんだもん〜。余韻に浸りたいじゃん〜」
絶句するひかるに、やぶはジーンズの前だけ寛いだ格好で、「ひかる、可愛かったよ」とニヤつく。
「……いい加減にしろよ！オマエ病人だろ、病院行かないとダメだからな！」
焦るひかるとは対照的に、やぶは不満気にゆっくり起き上がった。
少しも急ぐ様子がないやぶを浴室に押し込み、着替えを用意する。
──一年近く前にやぶが置いて行ったシャツや下着を、ひかるはクローゼットから取り出した。
そう言えば、あの時『ひかるの借りるな』って、鼻歌まじりに着て帰ったおれの服は、今どこでどうなっているんだろう。
捨てられちゃった？
それとも女の子の家？
そんなことを考えていると、「ひかるのシャンプー、めちゃいい匂いだな」とポタポタ髪からしずくを垂らしたやぶが裸のまま出てくる。
その姿にまたひかるは怒鳴ってしまう。
「タオルくらい巻けよ！」
「着替え出してくれてなかったひかるのせいじゃん。俺は悪くないからな」
本気でそう思っているらしいやぶは、ひかるの手からヒラリと着替えを取り上げた。
「ひかるもシャワー行って来いよ」
裸のやぶに抱き寄せられ、耳元で囁かれる。
「──事後のひかる、えろすぎて誰にも見せられないから」
ぞくりと甘いうずきが背筋を走り、ひかるはそれが快感だと認めざるを得なかった。
やぶの声を耳元で聞くだけで、おれはもう……。
「そんな顔すんなよ。俺我慢できなくなっちゃうからさ、シャワー行っといで」
ポンと頭をたたかれ、ひかるは素直に頷いた。
シャワーから出たひかるの前に、着替えと髪を乾かし終えたやぶが「じゃあタクシー来たから病院に行くわ」と手を振る。
「え、1人で？」
「当たり前だろ、俺ホントは25なんだろ？病院くらい1人で行けるよ」
指1本で前髪を跳ね上げ、やぶは「心配すんなよ」と言い残して帰って行った。
しばらく放心していたが、今日は空になった赤いコーヒーカップを片付けようとして、テーブルの下に見慣れたやぶのスマホを見つけた。
「あのバカ……」
ため息を一つつき、ひかるはやぶを追いかけるためにクルマのキーを手にした。
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しろくま(プロフ) - ちちちさん» ちちちさま、ノロノロと書いていくので遅いですが必ずひかちゃんを幸せに致します。どうかお付き合いください (6月24日 0時) (
レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - kirinsanmoさん» kirinsanmoさま、コメントありがとうございます。ゆっくり更新ですが楽しんでいただけると嬉しいです (6月24日 0時) (レス) @page4 id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - ああありがとうございます!ありがとうございます…大切に読んでいきます! (6月18日 23時) (レス) @page3 id: 3093699708 (このIDを非表示/違反報告)
kirinsanmo(プロフ) - どんな展開になるのかワクワクします、、更新楽しみにしてます！ (6月8日 18時) (レス) @page3 id: 4bf1b7a22e (このIDを非表示/違反報告)
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