69--錯覚--ybhk+tk ページ24
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侑李になにかあるとすれば、飛車か銀龍会に決まっている。
これまでならば、Blue Chainと対立する飛車の連中の仕業だと疑いを持つだろうが、山田がついていながら攫われたことを考えると銀龍会の手によるものだろう。
しかも、今、ヘッドの光がそんなことをしている余裕はない。
昼間、光とふたりでいたハンバーガーショップに高木雄也が現れ、宏太は高木に啖呵を切って光を連れ出していた。
洒落たダークスーツ姿の気障な姿が脳裏によみがえる。
――アイツ、なんかやりやがったに違いねぇ。
バイクのエンジンをかけ、高木のいるであろうマンション――光の住むマンションに向かって走り出す。
春先とは言え、夜風は冷たく宏太の首筋を切りつけ、侑李に何かとりかえしのつかないことがあったら、と背筋が冷える。
邪険に扱ったつもりはさらさらないが、今までなら必ず駅まで付き添い、電車が出るまで見送っていたはずなのに、光に夢中になったぶんだけ、侑李に関心が薄れていたことを宏太は自覚していた。
光とふたりになりたいという強い気持ちが、侑李を一人にさせて危険な目に合わせてしまっていた。
バイクを飛ばし、20分ほどでマンションに着いた。
24時間体制で詰めているコンシェルジュは朝は若い女だったが、今は年配の男に代わっており、宏太が当然のような顔で軽く会釈をすると、呼び止めることもない。
内心、ホッとしながら、もう指が覚えている光の部屋番号を押し、暗証番号を入力した。
インターフォンを押して入室許可を得るようなまどろっこしいやり方をする気は微塵もない。
光の部屋がある最上階のフロアは、やはりしんと静かだった。
花を配達する時は、いつも光が扉を開けて待ってくれていた。
今夜は、そうじゃない。
ひとつ大きく息をすると、宏太はドンッ、と白いドアを拳で叩いた。
光はうつむいたままリビングの黒革のソファに座り、ほっそりしたうなじに匂い立つような色香を漂わせている。
他のオトコを知った光がどれ程甘く乱れたのかと、高木は嘆息交じりに光を見遣る。
「光。随分、舐めたマネをしてくれたな？
一度の火遊びは笑って許してやれるが、二度目は洒落にならねぇぞ」
「……ごめんなさい……」
「あのガキがそんなにいいのか」
「ごめんなさい――」
光はただうつむいて同じ言葉を繰り返すばかりで、話しにならない。
従順で大人しく、言いなりだったはずの光が、言い訳もせずにうつむいていた。
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しろくま(プロフ) - えみさん» えみ様、コメントありがとうございます。完結してしばらく経つお話ですが、楽しんでいただけていると、すごく嬉しいです★春から夏にかけて書いたホリッカーのあと、秋になってから始めたお話「あなたたちは誰だったの」連載中です。そちらにもぜひどうぞ（笑） (2018年10月31日 19時) (
レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - ホリッカータウン、読了していませんが、すごく面白いです！設定も文章の書き方も読みやすいし、どんどん続きが気になります！でも、全部読んじゃうのが惜しいくらい面白いです。 (2018年10月31日 11時) (レス) id: 4f6a869bfd (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - ney-koさん» ney-ko様、今回も遊びに来ていただきありがとうございました。キュンキュンしていただいて、うれしいです〜。ショタやぶ…気に入っていただけてニヤニヤしちゃいます。ぜひまた遊びに来てくださーい★ (2018年8月22日 19時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
ney-ko(プロフ) - 完結、おめでとうございます！ハラハラドキドキなお話で胸もキュンキュンしまくりでした〜！やぶひか、くっついて良かったです(*´ `*)幼い薮くん設定、素敵ですねぇ。ご馳走様でしたttttt (2018年8月21日 23時) (レス) id: 279b6160ea (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様、最後までありがとうございました。松濤のぼっちゃま、あーりー（笑）お話しの中で実は一番気に入ったのがあーりーです★ただし、どう考えてもありいのでは終わらなかった…そのため、こんな終わり方ですわ〜。どっちもイケる…深く賛同いたします。 (2018年8月21日 0時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
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