49--威嚇--ybhk+cn ページ3
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ふと目が覚めると、光は畳の上で裸のまま横たわっていた。
一応、タオルケットが掛けられていて、宏太が気を遣ってくれたのだと分かった。
腕時計をみると――15時。
ゆっくりと起き上がり、部屋の隅に置かれた自分の服を身に着ける。
宏太は光の快楽よりも、自分の欲を優先して抱いていたが、決定的に光に負担をかける行為はしなかった。
わずかにひりつく痛みはあるものの、高木から受けた荒々しい行為の比ではない。
テーブルの上には乱雑な字で、「コンビニ行く」と書かれたメモが残されており、行先を告げる真面目さに微笑する。
喉の渇きを覚え、何気なく冷蔵庫を開けると、缶ビールが一本入っているだけで、がらんとしている。
鍋もない。電子レンジもない。
かろうじてヤカンがあるのは、インスタント食品のためだろうと光は思った。
宏太の生硬な生真面目さと、どこか世間離れしたところが垣間見え、光は興味をもって水回りを眺めていた。
そこに、ドアがガチャリと開き、光は「おかえり」と言いながら振り返り、息を飲んだ。
ドアの前には、宏太ではない、小柄な黒髪の少年が立っていた。
どこかの学校の制服なのだろう、ジャケットにスラックス、臙脂色の上品なネクタイを締め、育ちのよさが一目でわかる。
その少年は一瞬目を見開いてから、すぐに鼻の頭に皺をよせた。
そしてキツイ声で「あんた、何」と
光はグッと息を詰めた。
少年は黒い瞳で光を睨みつけながら、黒い革靴を脱ぎ、重そうな学生カバンをドンッと威嚇するように置く。
「なんでここにいるのさ」
「人に名前を聞く時は、自分から名乗れよ」
頭一つ小さい少年に、光ははねつけるように言ったが、少年は鼻先で小ばかにしたように笑う。
「ドロボーに名乗るわけないだろ」
さすがの光も頭に来て、言い返してやろうとした時に、今度は宏太がコンビニの袋を下げて帰ってきた。
「おっ、侑李。今日は早いな。体調はもういいのか」
履き古したスニーカーを脱ぎながら、宏太が優しい口調で少年に話しかけると、侑李と呼ばれた少年は甘えるように上目遣いで宏太を見上げる。
「うん、心配かけてゴメンね。
――ねえ、宏太、こいつ、誰？見かけない奴だけど」
「ああ……光っていうんだ。花屋のバイト先の、お客さん」
「へえ？」
納得いかない、と侑李の目には疑いの色が濃く残っていたが、幾分柔らかい態度でじろじろと遠慮なく光を見た。
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しろくま(プロフ) - えみさん» えみ様、コメントありがとうございます。完結してしばらく経つお話ですが、楽しんでいただけていると、すごく嬉しいです★春から夏にかけて書いたホリッカーのあと、秋になってから始めたお話「あなたたちは誰だったの」連載中です。そちらにもぜひどうぞ（笑） (2018年10月31日 19時) (
レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - ホリッカータウン、読了していませんが、すごく面白いです！設定も文章の書き方も読みやすいし、どんどん続きが気になります！でも、全部読んじゃうのが惜しいくらい面白いです。 (2018年10月31日 11時) (レス) id: 4f6a869bfd (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - ney-koさん» ney-ko様、今回も遊びに来ていただきありがとうございました。キュンキュンしていただいて、うれしいです〜。ショタやぶ…気に入っていただけてニヤニヤしちゃいます。ぜひまた遊びに来てくださーい★ (2018年8月22日 19時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
ney-ko(プロフ) - 完結、おめでとうございます！ハラハラドキドキなお話で胸もキュンキュンしまくりでした〜！やぶひか、くっついて良かったです(*´ `*)幼い薮くん設定、素敵ですねぇ。ご馳走様でしたttttt (2018年8月21日 23時) (レス) id: 279b6160ea (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様、最後までありがとうございました。松濤のぼっちゃま、あーりー（笑）お話しの中で実は一番気に入ったのがあーりーです★ただし、どう考えてもありいのでは終わらなかった…そのため、こんな終わり方ですわ〜。どっちもイケる…深く賛同いたします。 (2018年8月21日 0時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
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