子育て短編集【アイナナ】 (ページ45)

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陸パパページ45

七瀬海音(あまね)ちゃん 21歳

海音「パパ、ママ」

純白のドレスに身を包んで、新郎の凪音くんと腕を組む愛娘。

A「結婚おめでとう」

微笑んで、そっと頭を撫でてやる。

目を細めて笑う姿がいつもより大人びていて、涙が込み上げてきそう。

A「凪音くんと、幸せになってね」

海音「うん、ありがとう」
凪音「安心してよ、Aさん。絶対幸せにするから」

頼もしい新郎に安心する。むしろ不安なのは私の旦那の方で…

陸「うっ、えぐ…ううぅ……うぁぁ…」

天「涙拭いて、深呼吸して。笑顔用意」

凪音くんの父であり、陸の双子のお兄さん。

うちの娘は、いとこと結婚したことになる。

陸「天にぃ～っオレ、笑いたいけど涙出てくる…」

A「バージンロードで泣かなくて良かったね」

天くんと必死に陸をなだめるが、声をかければかけるほど涙を零す。

ダメだこりゃ。

海音「パパ、泣かないで。私パパの娘に生まれて良かったよ。ありがとう、大好き」

「泣かないで」とか言いつつ余計涙を誘うような言葉を掛ける海音。

凪音「陸くん。俺、絶対海音を幸せにしてみせるから…！」

追い打ちをかける凪音くん。

陸「うわぁぁん！じあわぜになっでね～っ」

A「…鼻水」
天「…アイドルの顔じゃない」

顔をくしゃくしゃにして泣きわめく陸。

よしよしと頭を撫でると、少しだけ涙が収まった様子。天くんも苦笑。

A「…ん？寝ちゃった」

私の方に重心をかけたな、と思ったら泣き疲れて眠りに落ちていた。

天「全く…子供なんだから」

呆れながらも、陸をおんぶして別室へ向かう天くん

A「じゃあ…私も席外すね。後は2人で幸せな時間を過ごして」

海音「うん」
凪音「ありがとう」

ふと、私と陸の結婚式を思い出す。

あの時も陸はたくさん涙を流していたな。

MEZZO"の2人が、『Dear Butterfly』をウェディングソングとして歌ってくれたり。

あ、天くんが＿＿＿＿＿＿＿

A「天くん、私たちの結婚式で陸のモノマネしてたよね」
天「何で覚えてたの…」
A「天にぃ大好きっ………って自分でやってたじゃん。一生忘れない」
天「事実でしょ」
陸「んふふっ」

タイミングよく陸が寝言笑いを零した。
天くんはお茶を零した。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
陸くんは泣かせたい((殴

七瀬望実さんからのリクエストでした。
リクエストありがとうございます！

NEXT壮五さん！