子育て短編集【アイナナ】

楽パパ ページ32

八乙女音(おと)ちゃん 8歳(小2)
八乙女愛(あい)ちゃん 8歳(小2)


音「ママ〜」
A「音？どうしたの」
音「宿題教えて〜」


愛「ねぇママーっ」
A「はいはい何ー？」
愛「今日の夕ご飯はお蕎麦？」


あっちもこっちも「ママ、ママ」と忙しい。


一卵性の双子だから、分身みたいで混乱もする。


楽「なあA……」


A「後でね！」


だからいつも楽は後回し。


すると向こうから3人の話し声がする。


音「パパさみしーの？」


楽「ん、いや大丈夫」


愛「えへへっ、ママは愛のものだから！」
音「ママは音と愛のものだからごめんね、パパ！」


楽「…は!?嘘だろ、なあA」


A「んー？うん」


よく聞こえないからとりあえず相槌を打っておく。


双子たちが楽に意地悪をしているのにも気付かず。





A「や……っと落ち着ける」


はぁぁ…と、深い溜息と一緒に疲れを吐き出す。


双子たちはピアノのレッスンに行っているため、楽と2人。


楽「なぁA、本当なのか？」


A「何が？」


楽「お前はもう…俺のものじゃないのか？」


A「ヴェッ…っげっほ、ゴホッゴホッケホッ」


なんでそんな台詞をコーヒー飲んでる妻に言うかな


A「ゴホッ…何、どういう意味」


楽「いや…音と愛が『ママは自分たちのものだ』って言うから…」


A「え？…さっきはその話してたの？」


あー…適当に相槌打ったあれかな。


楽「おう、でもAが…」


A「いやいや、娘も大事だけどさ、いつかは離れるじゃない。


一生そばにいるって、誓ったのは世界中で、楽1人だから」


自分でもビックリするくらいのセリフがサラッと出てきた。


普段、楽の甘いセリフ聞いてるからかな。


楽「好きだわー、俺の嫁最高」


これだから好きなんだよ、うちの旦那は。




大和「八乙女から『俺の嫁マジ可愛い(笑)』って来たんだけど」
A「え、あれラビチャで送ったの？」
楽「言っとくけど、Aも八乙女だから」
A「質問に答えろ、おい」





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家族を大切にする楽さんが好きです〜っ

ほののんさんからのリクエストでした。
リクエスト、ありがとうございました！

NEXT陸くん！

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