子育て短編集【アイナナ】

壮五パパ ページ30

逢坂壮歌(そな)ちゃん 12歳(中1)


満開の桜の下、我が娘は真新しい制服で微笑む


大事な一人娘の中学入学式である。


壮歌「お、お父さん。もう写真撮影はいいんじゃないかな」


かれこれ3分ほどシャッターを切っている壮五さん。


壮歌の隣にいる、由くんも苦笑いをしている


環「悪い、遅くなった。…そーちゃん何してんの」


丁度そこに「トイレ行く」と言って去った、環くんが戻ってきた。


A「ごめんなさい環くん。由くん巻き添えにして写真撮影してます」


環「はぁ…？そーちゃん、カメラ終わり。帰るよ」


壮五さんから一眼レフカメラを取り上げて歩き出す環くん。


由「めっちゃ写真撮られたな」
壮歌「ごめんね、由」


環くんの息子、由くんは1歳年上だけれど壮歌と仲良くしてくれる幼なじみの子。


壮五「んふふ、見てA。この由くん、環くんにとっても似てるね」
A「わ…本当だ。タレ目が可愛い」


環「そーちゃんもAもやめろよ！恥ずい！」


先程撮った写真を壮五さんと一緒に見る。


すると環くんが顔を赤くしてポカポカと壮五さんを叩く


壮五「こら環くん…あ、いいね。もうちょっと左」
環「肩叩きしてる訳じゃないわけじゃねーっつの！」


仲良しMEZZO"が漫才をし始めて、壮歌と由くんも吹き出す。


由「ふはっ、俺もやってやる」


壮歌「え？…ちょ、痛いってば！」


真似して背中を叩き合う学生服の2人。


仲睦まじい光景を、桜が彩る


A「壮五さん、ちょっとカメラ」


壮五「へ？」


ファインダーで壮歌と由くんを捉える。


壮五さんと環くんもそれをのぞき込む。


壮五「わぁ…ふふ。青春のワンショットだね」
A「可愛いですね、子どもたち」



環「おー、恋のかけら？」



「「え」」



壮五さんとハモって、思わず子どもたちを振り返る。


カメラで撮られていることにも、私たちに見られていることにも気付かず笑い合う2人


A「本当だ…。桜が『恋のかけら』ですね」


壮五「僕とAの出会いの曲だよね」


A「っえへへ」


新たな恋の予感と、青くなり始めた春


ファインダーに収めた、桜と青春


続いてゆく、MEZZO"の恋物語





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連載再開です〜っ

覇香-haruka-@元唯乃さんからのリクエストでした
リクエスト、遅れてすみません。ありがとうございました！

NEXT万理さん！

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