子育て短編集【アイナナ】 (ページ25)

今日:1 hit、昨日:15 hit、合計:478,780 hit

壮五パパページ25

逢坂壮歌(そな)ちゃん 16歳(高1)

壮五「ただいま」

いつもより少し嬉しそうに、鼻歌を歌ってご機嫌。

A「おかえりなさい。なんだか嬉しそうですね」

壮五「うん、環くんがね…あれ？」

喋り始めたと思ったら急に首を傾げる

壮五「甘い匂いがするね、チョコ？」

A「ええ、壮歌がチョコを作っているんですよ」

なんてったって明日はバレンタインデーだから。

壮五「壮歌ー」

浮かれた様子でキッチンに向かう壮五さん。私もあとに続く。

壮歌「おかえりなさい、お父さん」

エプロン姿の壮歌。けれどこちらを振り返らずに作業を続ける

壮五「誰に作ってるの？お友達かな」

壮歌「お父さんあっち行って」

壮五「ええ!?」

陽気だった壮五さんが、甲子園で敗北した選手のように膝から崩れ落ちる。

A「そ、壮五さんお気を確かに…！壮歌、冷たい言い方しちゃいけません」

壮歌「お父さん申し訳ございませんが、別室をおすすめ致します」

壮五「そ、壮歌………」

ついに涙目になる壮五さん。なんだか環くんのように思えてきて可愛い

A「もー…反抗期は良くありませんよ」

壮歌「も、もういいから早く出ていって！」

背中をグイグイ押されてキッチンから出される。

壮五「ううぅ…やっぱり僕は父親失格なんだ…幼い頃から仕事が忙しいからと言ってあまり遊べてあげられなかったし、そもそも思春期の女の子なんだよね壮歌は。はぁぁもうそんな年か…はぁ」

A「ふふ、実はね、由くんに渡すらしいですよ。だから見られたくないんじゃないかしら」

壮五「由くんって、環くんの息子さんの？」

ブツブツいじけてた壮五さんが顔を上げる。

A「そうですよ。壮五さんが嫌いなわけじゃありません」

壮五「よ、よかった…嫌われたのかと思ったよ」

へにゃ、と顔を緩ませて私の手を取る。

壮五「じゃあAは僕にチョコ、くれる？」

A「ええ、もちろん」

やったあ、と喜んだり落ち込んだり…感情豊かで可愛い旦那さんだ。

今年は「恋のかけら」モチーフのチョコでも作ろうかな。

＿＿＿私と、壮五さんの想い出の曲を

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
気の早いバレンタインものです(笑)
バレンタインはね、お兄さんの誕生日ですから。
そっちもちゃんと書く予定です

たまのすけさんからのリクエストでした。
リクエスト、ありがとうございました！

NEXTリクエストのあった天くん！