子育て短編集【アイナナ】 (ページ14)

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龍之介パパページ14

十龍太朗(りゅうたろう)くん 17歳(高2)
十龍治朗(りゅうじろう)くん 15歳(中3)

龍之介「みんな、海に行こう！」

浮き輪やらゴーグルやらを身につけて今から行く気満々の龍。

A「今から？」

龍治朗「海？行こうよ、沖縄！」

龍之介「沖縄、沖縄行こうよ！」

2人で勝手に盛り上がっているけど沖縄なんてここからじゃ遠くて＿＿＿

in沖縄

龍太朗「マジで今日中に着いちゃったよ」

『飛行機ですぐ行こう！』そう言ったのが今日の朝7時頃。

文字通り、飛行機ですぐ。今はお昼の1時頃。

A「やっぱり海キレー…」

龍之介「NATSU☆しよーぜ～～～！」
龍治朗「ひゃっほ～い!!」

久しぶりの地元にテンションMAXの龍と、

まだまだ脳みそが子供な次男。

龍太朗「母さん、あっちにフラッグとパラソル立ててバカンスだ」

私は長男の龍太朗と、ハワイアンジュースとサングラスでバカンスを満喫。

A「お城でも作ろうか」

龍太朗「嫌だよ、日焼けする」

最近、映画俳優として売れてきたうちの長男。

『日焼けしたくない』だなんて一丁前な。この野郎

A「いいわよ、私1人で作るから」

1人寂しく砂を集めるけれど、サラサラのそれはすぐに崩れる。

A「うう…」

龍之介「A、お城作ってるの？」

不意に私を包む大きな影。優しげな声音。

A「りゅう…」

龍之介「ほら、こっちの砂で作るんだよ」

A「え？あ、ホントだ！」

さっすが！と嬉しくなって笑顔が溢れる。

A「ねえ龍、りゅ…」

振り向きざまのキス。ちょっと砂でざらついた指で顎を上げられる。

A「っ龍！？ば、馬鹿じゃないの…！」

子供のいる前でなんて恥ずかしすぎる。

ましてやいきなり！…いやキスに前振りとかあったこと無いけど。

龍之介「可愛いかったから、つい」

夏だってのに、まだまだ熱くなる顔。

そんな私を笑って今度は頬にキスをする龍。

A「ば、ば…馬鹿ぁ………」

メロメロだ。エロエロビーストめ。

龍太朗「…龍治朗、あっち行こうぜ」
龍治朗「…にーちゃん、日焼けはいいの」
龍太朗「あんなの見て日焼けするよりマシだわ」

まだまだ十家の夏は始まったばかり＿＿＿

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このくっそ寒い時期に「NATSU☆しようぜ」を聴きながら夏のストーリー書いてしまいました。

NEXT千パパ！