聞き耳 ページ16
ほとんどの先生が「お疲れ様です」と帰って行った夕方、あたしもそろそろ帰ろうと職員室を後にした時だった
…大野先生、それと…4人が一緒になって階段を上がっていく
そういえば職員室に5人がいなかったかも…って思ったら、やっぱり仲良しだなぁって何だか笑いが溢れた
だけど、明らかに大野先生の表情が強張ってて…
あたしはどうしても気になって…後を追ってしまったんだ
＊
着いたのはいつもの屋上だった
今の時期この時間はまだ寒いんだよね
「さみー」って声が聞こえて、バタンと閉まるドアの音を聞いてから出入り口そばへと寄って、聞き耳を立てたんだ
楽しい話じゃないのはわかって、聞き耳を立ててもほとんど聞こえないくらいの声だった
だからどんな会話をしてるのかわからなくて、仕方ないからと帰ろうかとしゃがんでた身体を起き上がらせた時だった
智「…忘れられるわけねーだろ！？」
「っ！」
突然大きな声
それがすごく…悲しげな声に聞こえて…また聞き耳を立てる
潤「別に忘れなくてもいいとは俺は思う。だけどさ？」
智「…無理なもんは無理だって…なんでわからねーかな」
あの児童票を見て櫻井先生に怒った時みたいな…そんな感じの状況だってわかって、ここまで聞いちゃったものの…聞いてはいけないようなそんな感覚になる
だけどどうしても足は動かなくて、そのまま…聞いてたんだ
多分だけど…
大野先生には忘れられない人がいて…
きっと忘れられない何かがあったんだ
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さくらさく(プロフ) - skomiya0617さん» ありがとうございます。頑張ります！！ (2020年10月18日 11時) (
レス) id: dfcc736d8e (このIDを非表示/違反報告)
skomiya0617(プロフ) - 更新頑張ってください。待っています (2020年10月4日 22時) (レス) id: 151ccfc04a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらさく
| 作成日時：2020年3月30日 0時
