5日で恋したあなたへ☆O.satoshi (ページ43)

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飴ページ43

部活が終わり、帰り支度を始める前、自販機でジュースを買ったあたしは、屋上へと向かった

今日は…きっといる。だって鍵がなかったから

それと、さっき部室に忘れ物取りに行ったときに、関さんが門から出て行くの見えたから…一人のはず

そう思ったあたしは、浮足立つのもそのままに…駆け足で階段を昇って行った

智「…あれ？」

「あ…」

智「今から？」

「あ、えっと…」

智「俺帰る所だったんよ。…鍵渡しとこうか？」

「…ですね」

キィとドアを開けた瞬間、今にもここから出て行きそうな大野先生が目のまえにいた

…入れ違いだ

もっと早くに気が付けばよかった

智「Aちゃんは帰らないの？」

「か、帰ります。でもその前にちょっとここで休んでからと思って…」

智「そか。んじゃごゆっくりね」

「…はい」

なんだ残念

本当は…もっと一緒にいたかったのにな

鍵をもらって、その人の背中を見送って…静かに屋上の先端へと向かう

ふぅ～と一息ついて、遠くの山を見つめた

とその時…

閉まったはずのドアが開く音がして思わず振り返る

「お、大野先生っ…どうしたんですか？…忘れ物でも…」

智「うん(笑)」

少し微笑みながら近寄ってくるその人

辺りを見回してみたけど、思い当たるようなものはなくて…もう一度視線を大野先生に戻す

そしたら徐にポケットに手を突っ込むと…

智「はい」

「…え？」

智「渡し忘れ(笑)あげる」

「…あ…りがとうございます」

飴を一つポトンと掌に乗せてくれた

智「そろそろ梅雨だね」

「え？」

智「そんな空してる。…ほら」

そう言って指さす方を見つめると、雨雲があるのが目に映った

智「早く帰った方がいいよ？もう暗いしね」

「…ありがとうございます。これ飲んだら…」

智「んじゃ…待ってるよ」

「え…でも…」

智「もう一本吸いたくなっちゃったしね(笑)」

そう言って、今度はタバコをポケットから取り出した