＃126 3分の１ ページ32
年末年始番組の怒涛の収録が終わろうとしていた
みんな疲れ切ってはいたけど…あたしと同様やりがいを感じてたのは間違いなくて
＃「じゃ〜忘年会行くぞー！」
沢野「はーい！」
男性スタッフからの声かけに、一同が返事をする
その中でも一段と張り切ってるのが茜ちゃんだ
飯野「…お前はどうすんの？」
「わっ！び、びっくりした〜」
突然脇からぬっと出てきた寛太さんに思わずびっくりしちゃう
「あたしは…もちろん」
飯野「「行きません」」
「あ(笑)」
寛太「だろ？」
「はい(笑)」
「俺はどうすっかな〜」って言いながら、招集をかけてる人のところへ足早に向かって、何か伝えてきたと思ったら、すぐにこっちに戻ってきた
「？…」
飯野「俺もや〜めた(笑)」
「えっでも…」
飯野「俺みたいな上司がいないほうが盛り上がるだろ？」
「そうですかね？」
飯野「いいのいいの。ほらっ！一緒帰るぞ？」
「あ、はい…」
きっと3分の1は本当にそう思ってるのかも
だけど残りの3分の1は、奥さんのためで…
残りは…あたしのためって思っていいかな？
寛太さんの中に少しでもあたしがいてくれればいいの
こうやって、3分の1でも気遣ってくれてるんだってわかれば…やっぱりうれしいから…
「じゃ〜帰りにラーメンでも食べて行きます？」
飯野「お、いいね〜」
「たまにはおごりますよ！」
飯野「やり！じゃ〜…行くか！」
「はい！」
「お疲れ様でした」って言ってスタジオを後にする
そして、寛太さんの後を追うようにして、年内最後の“一緒”の時間を楽しみに出た
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作者名：さくらさく
| 作成日時：2016年8月16日 0時
