＃107 きっと ページ12
ーside masakiー
思い切って言ってみた
Aちゃんに触れること
戸惑うようにAちゃんは自分の腕を抱え込む
だけど…
覚悟を決めたように…俯きながら…
「…ちょっとだけ…なら…」
そう言った
差し出された腕を、指でそっと…触れる
一本
たった一本の指でハートの形をしたそれに触れる
たった一本なのに…
びくっと彼女の腕が一瞬引っ込めようと動く
だけど、俺もその勢いに驚いて指を引っ込めようとしたからか、その腕が止まって…
「だ、だいじょぶ…かも…？」って苦笑した
＊
一体…
どれだけこの子は嫌な目にあったんだろうか…
こんな風に男を怖がるくらいな目にあった―？
こんな風にたった指一本すらも怖がるくらいな目に―？
雅「…ありがと」
「え」
本当にそっと触れただけの俺
そんな俺の顔を見て、Aちゃんがきょとんとする
「お、終わり…？」
雅「…もっと触ってほしい？(笑)」
「な////！ち、違います！」
慌てたように持ってたパーカーを羽織るAちゃん
すっげ〜顔真っ赤にしちゃってさ？
かわいいのなんのって(笑)
「もう行きますっ」
雅「うん(笑)あ…」
「え？」
雅「腕、マジで気にしなくていいと思うよ？」
「…でも…」
雅「俺の名前出していいから！」
「え？」
雅「あの人見てみろ〜って(笑)なんなら沢野ちゃんに頼んでわざと腕出す衣装でいいよ？俺」
「で、でも…」
雅「だから〜、俺はこれ、好きなんだって」
「…」
雅「だから…Aちゃんも…さ？好きになろうよ」
きっと好きになれる
きっと腕だって出せるようになる
それと…
きっとさ？俺みたいに大丈夫な男ができると思うんだ
俺は思うよ？
メンバーなら…大丈夫なんじゃないかってね
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作者名：さくらさく
| 作成日時：2016年8月16日 0時
