年下の仔犬 (ページ7)

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バンに乗り込む人達を横から追い越そうとした時

カシャン

「あぁ！携帯落ちたぁぁ！」

「わっ」

焦ってはいたけど、見ず知らずの人の携帯を踏んで壊してはいけないと思ったのだ

でも急だったから、バランス崩して転んでしまった

ズザァァ

「わぁ！」

「…痛」

「大丈夫ですか！？」

「あ、大丈夫です」

今は足の心配より会社だ

急いで立ち上がって再び走る

あぁ恥ずかしい…10人が私に注目してた

もぉぉタイツ破けてるし…血まで出ちゃってるじゃん

でも仕方ない。今そんな事言ってる暇ない

エンジンをかけて急いで会社に向かった

会社に着いたのは11時ちょい過ぎ

「…おはようございます」

「キムさん、ちょっと来なさい」

「はい…」

今このタイミングで部長に呼ばれるキムさんは私しかいないよね

「今何時？」

「11時…12分です」

「君、化粧する時間はあるんだね」

「……」

「今日も残って貰うよ」

「…はい」

「じゃあ仕事始めて」

「はい」

「先輩、怪我してるじゃないですか！」

「大したことないよ」

「すみません、今日換えのタイツ持ってない…」

「大丈夫、ありがとね」

そう言ってくれたのは仲がいい後輩のウビ

にしても、あんのハゲ…許さん

自分は残業しないくせに…何が、化粧する時間はあるんだねだよ

自己最高記録だったんだよハゲ

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