アクシデント ページ3
「すごーい！もう１回やってー！！」
「おういいぜ。ほらお駄賃出せ。」
目の前には小学生の群れ。
少年少女達が目を輝かせて見るのは俺。
今時いないだろうな、小学生に囲まれる高校生なんて。
あぁ……俺はなんて優しい男なんだ……っ！
「えー！！」
「さっきあげたじゃーん！」
「うるせぇ、追加料金だ。ほれ、とっとと出せ」
ブーブーと俺に抗議してくる小学生。
うるせぇ。俺のマジックは安くないんだよ。
文句を言いながらも菓子を俺の鞄の中に入れていくガキは、まぁ素直なんだろう。
「うしっ、ここに500円玉があるだろ？」
全員が菓子を入れたのを見て俺は500円玉を取り出しガキ共に見せる。
「んで、これを上に投げて取る。」
俺が500円玉を上に上げたときに何処からともなく『あー！金の亡者が金投げたー！』とか叫んでいたが、あえて無視するぞ。
「ここでお前らに確認だ。俺は確かに金を取ったよな？」
押さえた手をガキ共に見せながらその場にいる全員に問う。
するとガキ共はうるさいくらいの音量でとったー！と叫ぶ。
その答えに俺は満足し、ゆっくりと押さえてた手をどける。
「！！何でー！？」
「お金なくなったよー！？」
取った筈のお金が消えたことにガキ共は驚き辺りを探す。
地面なんかにあるわけねぇだろ。バーカ。
「おらそこの少年、ポケットの中に手を突っ込め。」
そろそろ俺が厭きてきたところでネタばらしをする。
ガキがポケットに手を入れ、勢いよく手を引き抜いた。そして、その腕を大きく上に上げ、叫ぶ。
「あっ、あったー！！」
くれんの？とふざけたことをぬかすガキから500円玉を奪い、周りの道具を片し始める。
「マジシャンかえるのー？」
その様子に今までタネを考えていたガキが近寄って来た。
「おう。マジシャンじゃなくて奇術師だから。」
そこんとこ、よろしく！とお得意の笑顔で言ったところで全て片付き、鞄を持って帰ろうとしたら、入り口から叫びながらこっちに向かって来る小さな影が見えた。
関係ないか、と勝手に結論付け立ち上がる。
「おーい！！お前だよ！！
公園でマジックしてる奴！！」
そこで、そいつが俺のことを呼んでることに気がつく。
しかし、
「誰だお前」
俺はこんな奴知らねぇ。
「頼む！ちょっと付き合ってくれ！！」
何で俺は知らない奴に手を引かれ走らなければならないのだろうか。
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聖泉 - おもしろいです！更新、頑張ってください(^^)楽しみにしています！ (2017年2月3日 19時) (
レス) id: b0c24886c2 (このIDを非表示/違反報告)
うさP - 続きめっちゃ楽しみにしてます( ＾ω＾ ) (2016年12月5日 22時) (レス) id: 8820cb6c20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春風 | 作成日時：2016年10月7日 17時
