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デザームから放たれたボールは勢いよくゴールへと向かっていき、このままでは木暮くんにぶつかってしまう。
私が、動かないと、助けないと、頭の中では分かっているのに足がすくんで動けない。どうしよう、このままじゃ、と思っていると逃げていた木暮くんが倒れている壁山くんの足につまづく。
すると突然竜巻のようなものがシュートを包み、木暮くんは無傷で、イプシロンはいなくなっていた。
私はほっ、と胸を撫で下ろすと同時に自分の不甲斐なさにまた嫌気がさした。
皆が木暮くんを褒めていると駆け寄ってきた漫遊寺の方達は見事に木暮くんの落とし穴に。
木暮くんを仲間にするのは本人の意志に任せるということになり、とりあえずキャラバンに戻ることに。
吹「もっと、完璧じゃなきゃ、だめなんだ」
風「やっぱり奴らと戦うにはもっとパワーが、」
そう呟く彼らを少し見たけれど、私が何か言って変わるのだろうか。試合にも出ていない、練習にも出ない私が。
『…変わらない、よね』
夜、漫遊寺のグラウンドでボールを蹴っていると、後ろから「ねえ、」と声を掛けられる。驚いて振り向くと知らない赤髪の男の子が。
「キミ、雷門の子だよね。今日の試合、凄かったね」
『そうだね』
「キミは？どうして試合に出ないの？」
『いろいろ、かな』
ふーん、そう。と少年は私の足元にあるボールを手に取る。
「俺とサッカーしようよ、俺のシュートを止めれたら君の勝ち、止められなかったら俺の勝ち」
どう？と勝手に進める彼に『やるなんて一言も、』と呟く。
「いいじゃん、勝っても負けても何かある訳じゃないし、気楽に俺に付き合ってよ」
人のシュートをブロックするだなんて、いつぶりだろうか。彼の言葉に折れるしかないと思い小さく頷いてブロックの位置に着く。
「…行くよ、流星ブレード！」
ジェミニストームにもイプシロンにも、いや、雷門にさえこんなシュート打てないかもしれない。まるで流れ星が降り注ぐような、強力なシュート。
『…エクリプス』
月が隠れるように、ボールも光を失って立ち込める雲が晴れるとボールは私の足元へ。
「やっぱり凄いね。キミの力を引き出そうと思って結構本気だったんだけど、負けちゃった。」
彼はニコリと笑ってキミの勝ち、またやろうねと言いながら隣を横切る。
『まって、』
そんな彼に話しかけようと後ろを振り向くもだれもいなく、私はズキズキと痛む頭をおさえた。
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しおらん(プロフ) - 凄くいいです!!無印大好きなので続きとても気になります!!更新頑張ってください!! (2022年11月30日 16時) (
レス) @page19 id: d42d8a020d (このIDを非表示/違反報告)
円堂天利(プロフ) - 私も無印大好きです！更新頑張ってください！ (2019年12月21日 20時) (レス) id: 4b53f6d2dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水月 | 作成日時：2019年4月2日 21時
