69 ページ19
.
納得いかない。
もやもやする。
悲しいし、なによりも頭が痛くなるような怒りで溢れている。
「俺は昔からヌナに憧れて、いろんな女の子の中でヌナに似てる部分ばっかり気にして、それで…」
「そんなこと言われても！」
「スジンだってリサだってヌナに似てたから」
「二股するような人となんて付き合いたくないよ！」
ジョングクくんがぐっとおし黙る。
私を涙の貯まる目で必死に睨んでいる。
「ヌナ、俺のこと好きなくせに」
「そうだけど！」
「じゃあ良いじゃん！付き合ってくださいよ！」
「やだ！」
「はあ！？」
「ジョングクくん最低じゃん！絶対付き合わない！」
「なんでっ…！」
「ジョングクくんは、もっと純粋でいい子だと思ってたのに…！どこにでもいる高校生とは違うと思ってたのに…！！」
「なにそれ。俺のこと勝手に決めつけて、理想と違ってたからってそんな罵倒する？」
もうほぼ喧嘩だ。
2人でこんなに近くにいるのに大きい声を張り上げて言い合った。
「もういい。ヌナが俺と付き合う気ないなら。
どうせヌナが先に折れるよ」
「そんなわけない、ジョングクくんとは付き合わない。もう好きじゃない」
「ふーん。ほんと？」
「う、うん」
にやにやと笑い出す彼が憎い。
本当は私がジョングクくんを好きで好きで堪らないのを知っているんだ。
「あっそ。勝手に言ってなよヌナ。でも家庭教師は続けてもらうからね？」
「当たり前でしょ。私はただの家庭教師だよ。前からずっと」
そうだ。
私はジョングクくんと付き合ったことなんてない。
常に私と彼の関係は「家庭教師」と「その生徒」なんだから。
変わることなんて１つもないんだ。
「どうせヌナが後から謝ってくるよ。それで俺に付き合ってって言ってくると思うよ？」
「そんなわけないじゃない」
「じゃあ賭けでもする？」
「いいけど」
「俺が勝ったらヌナに1日中言うこと聞いてもらうからね」
「じゃあ私が勝ったら良い男紹介してよ」
「わかった」
それで結局、私が大学を卒業するまでの間にという事になった。
もうすぐ10月が終わる。
彼が大学生になるまであと少ししかない。
そして私は進級する。
そして次の年には卒業だ。
その間に私が謝りながら彼に告白するなんてきっとありえない。
きっと、大学生になったらたくさんの女の子に囲まれて私のことなんて忘れる。
そして他の女の子と付き合うんだろうな。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2680人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソラン(プロフ) - kuniさん» コメントありがとうございます！最後まで読んでもらえて光栄です^o^こちらこそ、ありがとうございました！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
kuni(プロフ) - 感動とドキドキをありがとうございました☆ (2018年9月3日 18時) (レス) id: 55aa09b952 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - まななさん» コメントありがとうございます^ ^最後まで読んでもらえて嬉しいです！これからも頑張ります〜！ (2018年8月31日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
まなな - すごく感動しました！！ずっと、ドキドキもしてました笑いいトーリーですね！これからも頑張ってください！ﾌｧｲﾃｨﾝ！ (2018年2月18日 21時) (レス) id: edb3cec0d0 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - てぃもさん» コメントありがとうございます！読み返してもらえるなんて感激です！！ (2018年1月3日 15時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラン
| 作成日時：2017年4月9日 1時
