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ジョングクくんの彼女の話を聞いてから、その後はなんとも言えない雰囲気になった。
お団子を無言で食べて、旅行の時にメモしていたレポートをしっかりとルーズリーフに書き起こした。
私はただそれをぼんやり見ていただけ。
ジョングクくんの太くて白い腕。
そして横顔を見つめていると溢れてくる想い。
つらかった。
ずっとぐるぐる考えていると、自分が悪い気がしてくるのだ。
私はスジンさんからジョングクくんを奪ったんだ。
幸せだったのに。
きっと私が現れなければ2人はずっと付き合っていたんだろうな…。
彼女だって、突然別れを告げられたら悲しいだろう。
驚くだろうし、本当にショックだったと思う。
もし私がスジンさんの立場だったら、同じ行動を取っていたかもしれない。
こんなに綺麗でかっこよくて、可愛くて、とにかく良いところしかないジョングクくん。
自分だけのジョングクくんだったはずだ。
それなのに…。
その時私はどんな顔をしていたんだろう?
ジョングクくんが突然私の手を握った。
「ヌナ、どうしたの」
「…え?」
「顔が怖い」
「…ご、ごめん」
怒るでも悲しむでもなく、ジョングクくんは私の手の甲をそっと親指で撫でた。
「ヌナは悪くないから」
真剣な眼差しだった。
じわりと涙が浮かぶ。
ジョングクくんに見つめられると苦しくなる。
ぎゅって胸が苦しくなる。
「そんな見つめないでくださいー」
「えっ」
ふふふ、とジョングクくんは笑った。
ちょっとだけ気持ちが落ち着いた。
いつもの優しくてかわいいジョングクくんだ。
「早くヌナと付き合いたい。俺ものものにしたい」
「な、何言ってるの」
「ええ〜」
「早く勉強してっ」
「はい〜」
ぶぅ、と頰を膨らませて彼はまたルーズリーフに向かった。
私は熱く火照った顔をどうにか冷やしたくて、ジョングクくんが用意してくれたオレンジジュースの缶を頰にあてた。
ひんやりとして気持ちがいい。
ちなみにジョングクくんは炭酸飲料。
私はピリピリするのが少し苦手。
前にそれをジョングクくんに言ったらバカにされた。
「年上のくせに」って。
でもその時の満足そうな彼の顔は可愛かったなあ。
なんて。
「ヌナ、なんか今度はニヤけてない?」
「うそっ」
「何考えてたんですか〜」
「なんにも!」
「なのにニヤける?」
「元からこの顔なの!」
「嘘だーーー」
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ソラン(プロフ) - kuniさん» コメントありがとうございます!最後まで読んでもらえて光栄です^o^こちらこそ、ありがとうございました! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
kuni(プロフ) - 感動とドキドキをありがとうございました☆ (2018年9月3日 18時) (レス) id: 55aa09b952 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - まななさん» コメントありがとうございます^ ^最後まで読んでもらえて嬉しいです!これからも頑張ります〜! (2018年8月31日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
まなな - すごく感動しました!!ずっと、ドキドキもしてました笑いいトーリーですね!これからも頑張ってください!ファイティン! (2018年2月18日 21時) (レス) id: edb3cec0d0 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - てぃもさん» コメントありがとうございます!読み返してもらえるなんて感激です!! (2018年1月3日 15時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2017年4月9日 1時