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いつものベンチ。
私より先に彼はいた。
思わず駆け寄る。
「オッパ〜聞いてくださいよ〜」
ベンチでビタミンジュースを飲むユンギさんに抱きつく。
ユンギさんを「オッパ」って呼ぶのは甘えてる時だけ。
「どうしたどうした」
いつも通りぼんやりした感じの彼に安心する。
昨日ユンギさんに送って返って来なかったカトクはちゃんと朝起きたら返ってきていた。
その事に何故かすごく安心して、やっとジョングクくんのカトクにも返事をしておいた。
《私も楽しかったよ。これからよろしくね》
それだけ。
それだけで良いよね。
「アルバイト始めたんです」
「おー、ホソクから聞いたわ。
家庭教師だっけ?高校生の」
「はい。
で、その子、この世のものとは思えないほどイケメンなんです」
「ほお」
「私もう無理です。恐れ多くてあんなイケメンに勉強教えるなんて怖いです。無理です」
「おまえ頭いいの?」
「よくないです」
「根本的にダメじゃん」
珍しくユンギさんが吹き出して笑った。
そんな彼を見ているとすごく和む。
なんとなく「勉強よりおしゃべり中心」とは言えなかった。
「お金欲しいから頑張ります」
「うん。今度肉でも奢って」
「ええ!?やですよ!」
「嫌なんかい」
べしっ、と軽く頭を叩かれる。
ユンギさんに会ったらなんだかもやもやしたのが少し晴れた。
やっぱり彼の隣はすごく落ち着く。
こう言うの、ヒーリング効果?って言うの?
明日の家庭教師もうまくいく気がする。
「そいつの顔見たいから今度写真撮って来てよ」
「えっ」
「どんだけイケメンか気になる」
「無理ですよ!写真なんて!」
「盗撮したらいいじゃん」
「ええ〜。頑張るけど…」
写真かあ。
昨日のようにくっついてたら絶対に盗撮写真なんて撮れない。
昨日…。
2人で同じスマートフォンの画面を覗き込んで居たことを思い出してまたどきりした。
あんなに近くにいた。
イケメンが。
とても綺麗な横顔と長い睫毛が脳裏に浮かぶ。
(私ってあの子のファンなのかな)
テレビで騒がれているアイドルみたいに感じているのかもしれない。
それでファンになってしまったのかもしれない。
その感覚に似てる。
そうだそうだ。
きっと私はあのキラキラしたイケメンくんのファンになってしまったんだ。
顔ファンってやつだ。
私はジョングクくんのファン。
そういうことで。
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ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜!テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです!更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります!! (2017年4月4日 1時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!本当ですか〜!嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します!これからも頑張ります! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです! (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2017年3月6日 14時