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お互い、顔を見合わせて真っ赤になる。
「よ、呼んで?」
「ヌナ…」
「うん…」
「…」
「…」
どうしよう。
気まずくなっちゃった。
自分から言っておいて。
どうしよう。
「あ!」
「どうしたんですか?」
「さ、さっき言おうとしてたの、なに?」
「…ああ」
やっとジョングクくんはいつも通りに戻ってくれた。
私も気づかれないように深呼吸して落ち着かせる。
「ホテルなんですけど、急だったんでひと部屋しか取れませんでした」
「…え?」
「ベッドは2つなんで安心してください」
「…ま、まじですか?」
「まじです」
にっっこり笑うジョングクくん。
わざと?ではないよね?
もう肉体関係にあるし、今更恥ずかしがることなんてないんだけど。
でもやっぱりドキッとしてしまう。
それに男の人と旅行も初めて。
「なんか緊張する…」
「なんでですか」
ぷは、とジョングクくんは吹き出した。
飲もうとしていたコーラにもう一度蓋をして、私の方を見た。
「ベッド2つですけど、俺は一緒に寝たいです」
「…えっと」
「だから一緒に寝てください」
「…」
「いつもの俺のわがままです。彼氏さんには悪いけど」
あっ、
そう言えば、別れたことを言っていない。
すっかりタイミングを逃してしまった。
「あの、その事なんだけどね」
「?」
「私、別れたの」
「…え?」
「彼氏と、別れたの」
「…うそ」
ジョングクくんの手からコーラのペットボトルが落ちる。
良かった、蓋が閉まっていて。
彼の股の間に落ちたペットボトルをぼんやり見て、もう一度彼を見て驚いた。
ジョングクくんの目に涙が溜まって、うるうるしていた。
呆然とした顔のまま動かない。
「えっ、ジョングクくん?」
「ほんと?」
「本当だよ…」
「なんで?」
「今は、話せないけど…」
「嬉しい」
「え?」
「すっごく嬉しい」
ジョングクくんは泣きそうな顔で笑った。
首を少しだけ傾げて、恥ずかしそうに笑った。
ぎゆっと胸が締め付けられる。
私が好きな人。
ジョングクくん。
好き。大好き。
今すぐ口に出したかった。
「ヌナ、こんなところで言うなんて反則」
「なんで?」
「今すぐ抱きしめたい」
「えっ」
「ここじゃできないから我慢するしかないじゃないですか」
ムッとして私の頰をつねった。
それでもお互いニヤニヤしてしまう。
周りが気にならないくらい、私たちは幸せな気持ちでいっぱいだった。
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ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜!テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです!更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります!! (2017年4月4日 1時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!本当ですか〜!嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します!これからも頑張ります! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです! (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2017年3月6日 14時