24 ページ24
.
それからのことはあまり覚えていない。
ジョングクくんが彼女との電話をしているうちに、寝ていたのかもしれない。
起きたのは朝6時だった。
朝に強いわけでもないのに、パチリと覚めた。
隣では綺麗な顔のまま寝ているジョングクくん。
5歳くらい幼く見えた。
「ジョングクくん…」
そっと話しかけても微動だにしない。
ちょっとだけ頰を突いてみる。
ぷにぷにしたほっぺはマシュマロみたいに柔らかい。
ずっとこうしていたい。
でも無理なのは分かってる。
「ジョングクくん、今日学校でしょう?」
「…んー、」
「起きて」
口をムッとさせてちょっと動く。
さらに頑張って揺すってみるけど全然起きてくれないから困る。
仕方ない…。
まだ寝てても大丈夫かな?
ジョングクくんの学校は何時からか知らないけど、私は午後からしか授業ないし。
私に背を向けている彼に後ろから抱き着いた。
「…ん、Aさん…」
「あ、起きた?」
「胸押し付けないで…」
「えっ!?あっ!ご、ごめん!」
慌てて離れるとクスクス笑い声。
「からかわないでよ」
「んーーおはよAさん」
「…おはよう」
ふにゃりと緩む笑顔。
昨日のギラギラした顔はどこへ?
いつも通りの可愛い笑顔に安心した。
「…ジョングクくん」
「なんですか?」
「そのままでいて」
また背を向かせた状態にして、もう一度後ろから抱き着く。
「…家庭教師、やめようと思う」
「えっ?」
ピクリと彼の肩が揺れた。
「ホソクにはもう話してあるから…」
「…なんでですか。俺が抱いたから?」
「違うよ。3日前くらいから決めてたの」
「彼氏がやめろって?」
「違う」
違う。
そうじゃない。
貴方が好きだから。
だからやめなきゃいけないんだよ。
我慢していた涙が溢れる。
ジョングクくんに気づかれないように必死に声の震えを抑えた。
「次からもう来ない」
「なんで」
「理由は言えない…」
「そんなんじゃ納得しません」
すごい力で彼は私を組み敷いた。
昨日みたいに、私に覆い被さった状態のジョングクくんはすごく怖い顔をしていた。
大人みたいな顔。
冷静そうに見えて、内心すごく怒ってる。
「俺が嫌い?」
「っ、」
嫌いなわけない!
そう言いたいのに言えない。
ポタポタと落ちる涙。
彼は私をずっと見つめている。
「ねえ、Aさん、どうして…」
ジョングクくんが顔を歪ませた。
今にも泣きそうな顔。
「Aさん…」
.
3152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜!テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです!更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります!! (2017年4月4日 1時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!本当ですか〜!嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します!これからも頑張ります! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです! (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ソラン | 作成日時:2017年3月6日 14時