「全てを捧げてくれた人＋」24 ページ46
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よく2人で自転車に乗って海へ行く。
理由も目的もない。
2人でじっと海を見つめている。
週に最低でも3回、私たちは海へ行くようになった。
やることもなく暇なのもあるけれど。
なんとなく海へ行きたくなってしまうのだ。
今日も2人で浜辺でぼんやりする。
平日の1時半という微妙な時間のせいか、人はほとんどいない。
「ねえ、なんでこんなに惹かれるんだろう」
彼が好奇心旺盛な事を忘れていた。
キラキラした目で私を見つめ、そう問う。
「なんでだろうね…」
2人でスマートフォンで検索してみた。
海に惹かれる理由。
思っていたよりもちゃんとした仮説がたくさんあって驚いた。
彼はおもしろそうにその文章を読む。
もし彼が一般人で、ちゃんとした学習をしていたら、とんでもない天才になっていたんじゃないだろうか。
彼の少し伸びてきた髪。
完全に片目が隠れている。
「髪伸びたよね。切ろうか？」
「うん。じゃあ明日、切って」
「そうしよう」
横顔が綺麗。
ぼんやりそう思う。
「君って横顔がすごく綺麗だね」
「え？」
まさかの。
彼から私に向けられた言葉に驚く。
同じことを考えていたの？
なんだか恥ずかしくなって黙って俯く。
彼は私が照れたのに気づいたんだろう。
ふふ、と鼻で笑う。
「なんか私たち、青春してるね」
「青春？」
「知らない？」
「うん」
コクリと彼は首を振った。
青春という言葉をしらないなんて。
でも彼なら知らなくても納得だ。
「青春っていうのは、なんだろう。人生で一番輝いてる時じゃないかな？」
「おおおお！」
彼があまりに大げさに驚く。
「そ、そんなに驚く？」
「だって素敵じゃんそれ！」
「そうだね」
「俺たち、すごく綺麗だね」
「うん…」
きっと彼は見た目の話をしているわけではない。
私たちの今、この瞬間を綺麗と言ったのだ。
確かに、そうだね。
海が陽の光でキラキラと揺れる。
波の音と鳥の声。
遠くから子どもたちの声。
微かに香る彼のにおい。
そして寄り添う私たち。
私たちには私たちしかいない。
邪魔する人も、関わってくる人もいない。
お互いがこの世で唯一の存在。
とても綺麗だと思った。
青春という言葉では表せきれていないとも思う。
「幸せだー。怖い」
「大丈夫だよテヒョン」
「うん」
彼は子供のように私の服の袖をぎゆっと掴んだ。
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優桜(プロフ) - 更新してくださって本当にありがとうございます(T ^ T)そして完結おめでとうございます！！2人が幸せになれてとっても嬉しいです…！！ソランさんの新作楽しみにしてますね！ (2020年12月7日 17時) (
レス) id: bc64499760 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 皆さんお待たせいたしました！本当に長いことお待たせしてしまい、大変申し訳ないと思っております…(T ^ T)全部書き切ることができてスッキリしました！またちょっとお休みして、新作も書き進めて行けたらなと思います。ですのでまたいつかお会いしましょう〜 (2020年12月7日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
うみ - この作品、一番好きだったので続編とても嬉しかったです。ほんとにキュンキュンします。テテカッコ良すぎです！更新頑張ってください！ (2018年3月5日 7時) (レス) id: 8e28afa81e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 両作品とも、ほんとに大好きです(;Д;)(;Д;) (2017年9月27日 16時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
どぅぶ - キュンキュンしすぎて死にそうです。大変ですが更新頑張ってください!! (2017年9月11日 2時) (レス) id: 1b67b0d428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2017年5月14日 21時
