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「全てを捧げてくれた人+」15 ページ37

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「ちょっとずつでいいから、幸せに慣れていこうよ」

「うん」

「もちろん一緒にね」

「うん」


ポロポロとキム テヒョンは涙を流した。


その日の夜、私たちはしっかりと抱き合って眠りについた。

深い深いキスをして、お互い微笑み合って。

とても幸せを感じる夜だった。




「わんわんわんわん!!!」

朝、けたたましいブイの鳴き声で目が覚めた。

ハッして飛び起きた私よりも先に彼は起きて一階へ走って行く。

慌てて後を追いかけようとすると「そこにいて」ととめられてしまった。


まさか、ジョングク?


どきりと心臓が動く。

でも次の瞬間に私は呆気にとられてしまう。


「テヒョナーーーーー!!!」

「うわっ、ホビヒョン…」


ホビヒョン?

そういえば、一時期ブイを飼ってくれていた人。

確かホビヒョンって呼んでいた。


そろりそろりと一階に降りて行くと、ブイを抱える彼とブイに触ろうとしている若い男が見えた。

男は私に気がつく。

「あ!君がA!?」

「…あ、」


その人は見たことがある人だった。


「私をバスで襲った人…?」

「えっ!覚えててくれたの!?」


キム テヒョンと会うきっかけになった人。

バスに乗っていたら隣に座ってきて、バス停で拳銃を私に突き付けてきた人だ。


「やっぱり、あれも仕組まれていたことだったの?」


ぽけん、と私は2人を見る。

その途端にキム テヒョンがとても悲しそうな顔をしたから慌てて訂正した。


「あなたのおかげで私はテヒョンに出会えたんですね」

「うん!まあ、仕組んでたことだけどね!」

「それでもいいんです」


私がそう言うとテヒョンは少し安心したような優しい表情に戻った。


「あ、俺の本名はホソク。よろしくね」

「はじめまして、Aです」


ホソクさんが手を私に向けた。

握手の意だ。

無視するのも悪いから、軽く握手。


彼の目が怖い。

明らかに不機嫌。


「で、ホビヒョンはこんな早朝に何しに来たの?ブイめっちゃ吠えるし」

「やー、近くまで来たからさ!寄ろうと思って」

「不法侵入」

「俺の得意分野!」

「…はあ」


ホソクさんって明るいなあ。

闇社会でもこんな人いるんだ…。

飼ってたのにブイにすごい警戒されてるし。


「あ、2人にお土産!はい!」

「「?」」


そう言って彼は少し頰を赤らめて袋を突き出した。


「「…」」


すごくいやらしい女性物の下着だった。


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優桜(プロフ) - 更新してくださって本当にありがとうございます(T ^ T)そして完結おめでとうございます!!2人が幸せになれてとっても嬉しいです…!!ソランさんの新作楽しみにしてますね! (2020年12月7日 17時) (レス) id: bc64499760 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 皆さんお待たせいたしました!本当に長いことお待たせしてしまい、大変申し訳ないと思っております…(T ^ T)全部書き切ることができてスッキリしました!またちょっとお休みして、新作も書き進めて行けたらなと思います。ですのでまたいつかお会いしましょう〜 (2020年12月7日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
うみ - この作品、一番好きだったので続編とても嬉しかったです。ほんとにキュンキュンします。テテカッコ良すぎです!更新頑張ってください! (2018年3月5日 7時) (レス) id: 8e28afa81e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 両作品とも、ほんとに大好きです(;Д;)(;Д;) (2017年9月27日 16時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
どぅぶ - キュンキュンしすぎて死にそうです。大変ですが更新頑張ってください!! (2017年9月11日 2時) (レス) id: 1b67b0d428 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラン | 作成日時:2017年5月14日 21時

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