「全てを捧げてくれた人＋」14 ページ36
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彼は何を勘違いしたのか、私の方を真剣な眼差しで見つめて口を開いた。
「俺が君のこと抱かないの、気にしてる…よね」
「…うん」
それは事実だったから素直に頷く。
今は団子屋さんの女の子に嫉妬していただけだけど。
「考えたんだ」
「？」
「俺も、何で抱けないのかなって。怖いって感情がすごくあったんだ。その怖い理由を考えた」
怖かったんだ。
でも、なんでだろう。
2人で逃げていた時なんて、彼が怪我をしていない限りよくしていたのに。
お互いを確かめ合うように。
彼は私を見つめたまま続ける。
「これ以上、幸せになるのが怖い」
「幸せになるのが？」
驚いて、思わず大きな声で聞き返した。
コクリと頷く彼。
「俺、君に出会えてすごく幸せって前にも言ったよね？」
「うん」
「逃げて逃げて逃げまくって、でもやっぱりダメだった。俺は死にかけて、ジョングクに君を盗られた」
「…」
「でもまたこうして今一緒に過ごせてる」
「うん」
「それってめちゃくちゃ幸せで、奇跡的なことでしょ？」
「うん」
確かにそうだ。
私たちの出会い自体が奇跡的。
今一緒にいるのなんて、数ヶ月前の自分は夢にも思っていなかっただろう。
キム テヒョンは死んだと思っていたんだから。
「俺はね、君を抱く時が、一番幸せだと感じたんだよ」
「…うん」
「だって、2人だった俺たちが、１つになれるんだよ？同じ気持ちで。
気持ちよくて、心地よくて、それが本当に幸せな行為だって思ってた」
「私も、そう思う」
「だから、今こんな奇跡が起きて一緒にいれるだけでも幸せなのに、これ以上幸せになったら…」
「なったら？」
「俺は今度こそ死んじゃう気がする。それか、誰かにAを盗られる気がする」
「そんな、」
「怖いんだよ、それが。また君が俺の元からいなくなっちゃうって、そんな気がするんだよ」
「…テヒョン」
「だって、今すごい幸せなんだもん俺。欲張っちゃ、バチが当たるよ。俺、いい人間でもないのに」
彼は目を潤ませる。
そんなことを考えていたなんて、思ってもみなかった。
「…そんなこと、ないよ。テヒョンはいい人だもの。もっと幸せになっていいんだよ」
「…俺のどこがいい人なの」
自嘲気味に彼は笑った。
なんなとなく、鼻声な気がする。
「私を守ってくれる」
「うん」
「私に、自分の人生捧げてくれたでしょ？」
「うん」
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優桜(プロフ) - 更新してくださって本当にありがとうございます(T ^ T)そして完結おめでとうございます！！2人が幸せになれてとっても嬉しいです…！！ソランさんの新作楽しみにしてますね！ (2020年12月7日 17時) (
レス) id: bc64499760 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 皆さんお待たせいたしました！本当に長いことお待たせしてしまい、大変申し訳ないと思っております…(T ^ T)全部書き切ることができてスッキリしました！またちょっとお休みして、新作も書き進めて行けたらなと思います。ですのでまたいつかお会いしましょう〜 (2020年12月7日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
うみ - この作品、一番好きだったので続編とても嬉しかったです。ほんとにキュンキュンします。テテカッコ良すぎです！更新頑張ってください！ (2018年3月5日 7時) (レス) id: 8e28afa81e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 両作品とも、ほんとに大好きです(;Д;)(;Д;) (2017年9月27日 16時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
どぅぶ - キュンキュンしすぎて死にそうです。大変ですが更新頑張ってください!! (2017年9月11日 2時) (レス) id: 1b67b0d428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2017年5月14日 21時
