「全てを捧げてくれた人＋」05 ページ27
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朝食を終え、ホテルにタクシーを呼ぶ。
一応こっそりと外に出る。
特に変わったことはない。
ジョングクは何をしてるだろう。
ふと思った。
私がいなくなったことに気づかないはずはない。
だとしたら必死に探してくれていると思う。
少し可哀想なことをしたかな。
でも、ジョングクも彼を撃ったんだ。
そう思うと簡単に「可哀想」という感情は消えた。
タクシーでぼーっと外を眺める隣の彼を盗み見る。
結構離れている私たちの距離。
手だけは少し近い。
彼の指にそっと自分の指を絡めてみる。
ぴくん、とちょっと驚いたように体を跳ねらせた。
私の方を見てニヤリと笑う。
私も笑う。
無言で手を絡めて遊んだ。
運転手さんに気づかれないように。
「わ…ここ？」
「うん！」
タクシーが着いたのは高級住宅街の中にある豪邸だった。
「どうしたの？ここ」
「ジンヒョンがくれた」
「くれた！？」
「あのヒョンたくさん別荘あるから。ここは飽きたんだって。俺たちが引っ越す時は売っていいって」
なんて優しい人なんだろう。
懐かしい。
ジンさんを思い浮かべようとしたけど、顔が全然思い出せなかった。
チョコレートをくれたのは覚えてる。
「さ、入って」
「うん」
わくわくしながら玄関へ。
一階しかないけれど、そのぶん広い。
全体的に白でまとめられた綺麗な部屋だ。
「素敵だね」
「次に住むのはどこにする？」
「もう次の話？」
「ここ広すぎて落ち着かない」
「確かにそれはあるかもね…」
その瞬間、キッチンの方からカタン！と物音がした。
「えっ…！」
思わず彼に抱き着く。
彼は私の肩を優しく抱いた。
「大丈夫だよ」
「……！！」
『ワン！』
「ブイ！！！」
私たちのまるで子どものような存在だったブイ。
忘れた日なんて一度もない。
ずっと心配していた。
「よかった、ブイ、元気？」
ブンブンと尻尾を振って私に飛びかかってきたブイは驚くほど大きくなっていた。
澄んだ黒い瞳で私を見上げる。
「ヒョンから奪い返してきた」
「奪い返して来たって…」
「大丈夫。許可はちゃんと取ってる」
「そう」
よかった。
「じゃあまた一緒に暮らせるの？」
「うん。もちろん」
本当によかった。
まさかこの犬をこんなに好きになるとは思わなかった。
ブイも私を覚えていてくれたらしい。
これからまた2人と1匹の生活が始まる。
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優桜(プロフ) - 更新してくださって本当にありがとうございます(T ^ T)そして完結おめでとうございます！！2人が幸せになれてとっても嬉しいです…！！ソランさんの新作楽しみにしてますね！ (2020年12月7日 17時) (
レス) id: bc64499760 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 皆さんお待たせいたしました！本当に長いことお待たせしてしまい、大変申し訳ないと思っております…(T ^ T)全部書き切ることができてスッキリしました！またちょっとお休みして、新作も書き進めて行けたらなと思います。ですのでまたいつかお会いしましょう〜 (2020年12月7日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
うみ - この作品、一番好きだったので続編とても嬉しかったです。ほんとにキュンキュンします。テテカッコ良すぎです！更新頑張ってください！ (2018年3月5日 7時) (レス) id: 8e28afa81e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 両作品とも、ほんとに大好きです(;Д;)(;Д;) (2017年9月27日 16時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
どぅぶ - キュンキュンしすぎて死にそうです。大変ですが更新頑張ってください!! (2017年9月11日 2時) (レス) id: 1b67b0d428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2017年5月14日 21時
