「全てを捧げてくれた人＋」04 ページ26
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「テヒョン、聞いてもいい？」
「ん？」
朝食をベッドの上で行儀悪くとりながら、私は気になっていた傷のことについて聞いてみた。
「撃たれた所は、大丈夫？」
「うん。今はもう全然」
「…痛かったでしょ？」
「…あの時は、痛みなんて感じられないほどAを取り戻したくてたまらなかった」
「テヒョン…」
「だからリハビリの時が一番痛くてつらかったかも」
にへ、と笑う彼の顔を見て胸がぎゅっと締め付けられる。
「ごめんね。あの時、私…」
ジミンにキスされた。
テヒョンの手を掴めなかった。
なにも出来なかった。
あの時のことを考えると、いつも後悔ばかりだ。
箸を握る手に力が入る。
私が何かしていたら状況は変わっていたかもしれないのに。
「いいじゃん。今一緒にいるんだから」
「…うん」
「ね。過去のこと考えても意味なんてないよ」
「そうだね」
なんだか少しだけ彼らしくない言葉にクスリと笑ってしまった。
私と離れている間に、彼も色々あったんだろう。
「もう痛くもかゆくもないから安心して」
「うん。でも、ほんと、無理しないでね」
「もうAを不安にさせたりしないよ」
「約束だよ」
「うん、約束」
指切りをするわけでもなく、私たちは手を握り合った。
懐かしい彼の大きな手。
ジョングクの手も大きかったけれど、やっぱり彼の手の方が大きい気がする。
骨ばっている男らしい指と手の甲が大好き。
「みたらし団子食べたい」
「えっ。突然すぎるよ」
口にパンを含んでいるのにみたらし団子が食べたいなんて、呆れてしまう。
穏やかな顔でパンを頬張っている彼。
出会ったばかりの頃とは大違い。
「家に着いたら一緒に買いに行こ」
「近くにスーパーがあるの？」
「あるよ。Aの手料理を毎日食べたいから。スーパーが近くにあった方が良いかなって思った」
彼の好きな食べ物はなんだったっけ。
早くも愛する人へ料理を作ることにやる気が出てきた。
「なにが食べたい？」
「ガッツリしててコッテリしてるの」
「えっ、と…なんだろう？」
「Aのジャージャー麺が食べたい」
「！うん！分かった。作るね」
懐かしい。
今ぶわっと記憶がたくさん蘇って来た。
そうだ、彼はジャージャー麺とハンバーガーが好きだった。
お菓子も好きだった。
冷蔵庫には大量の炭酸飲料で、ほとんどがコーラ。
懐かしい記憶が溢れて来て、なんだか遠足に向かうような気分だった。
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優桜(プロフ) - 更新してくださって本当にありがとうございます(T ^ T)そして完結おめでとうございます！！2人が幸せになれてとっても嬉しいです…！！ソランさんの新作楽しみにしてますね！ (2020年12月7日 17時) (
レス) id: bc64499760 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 皆さんお待たせいたしました！本当に長いことお待たせしてしまい、大変申し訳ないと思っております…(T ^ T)全部書き切ることができてスッキリしました！またちょっとお休みして、新作も書き進めて行けたらなと思います。ですのでまたいつかお会いしましょう〜 (2020年12月7日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
うみ - この作品、一番好きだったので続編とても嬉しかったです。ほんとにキュンキュンします。テテカッコ良すぎです！更新頑張ってください！ (2018年3月5日 7時) (レス) id: 8e28afa81e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 両作品とも、ほんとに大好きです(;Д;)(;Д;) (2017年9月27日 16時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
どぅぶ - キュンキュンしすぎて死にそうです。大変ですが更新頑張ってください!! (2017年9月11日 2時) (レス) id: 1b67b0d428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2017年5月14日 21時
