「全てを捧げてくれた人＋」03 ページ25
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気がつけば朝だった。
あの後、私たちは特に何もせずに抱き合っていた。
そのまま寝ていたみたい。
「…おはよう」
体を起こして声のした方を向く。
彼が昨日のスーツのまま、ぼんやりと立っていた。
「…ずっとこのホテルにいるの？」
時計を見ると朝の6時だった。
通りで肌寒いわけだ。
「ううん。あのね、家を用意してある」
「ほんと？」
「うん。また、時が経ったら引っ越さなきゃいけないけど、とりあえずの俺たちの家」
初めて会った時に似た感覚。
彼は昨日と同じように寂しそうな瞳で私を見ている。
「どうやってそこまで行くの？」
「タクシー」
「お金は…」
「俺めちゃくちゃ金持ちだから」
そうなんだ…。
そういえば私のスマートフォンも通帳もカードも全部置いてきてしまった。
今私はあの大金を失った。
取りに行きたい。
でもそんなことしたら今度こそテヒョンと最悪な仲になってしまうだろう。
「私、お金なくて…」
「気にしないで。俺のお金使っていいから」
「…ありがとう」
「スマートフォンも今度買ってあげるね」
「ほんと？」
「うん。不便でしょ？」
「ありがとう」
彼は私に対して優しい。
それが申し訳ないような気もする。
でも、やっぱり彼が好き。
だから甘えてしまう。
「何か心残りでもあるの？」
「ううん。ないよ」
窓の外を見つめている私に彼はそっと囁く。
心残りなんてない。
私にはテヒョンがいればそれでいい。
きっと彼はまたジョングクのことを考えているんだう。
どうしたら私のこの気持ちを分かってくれるんだろう。
言葉でも伝わらないのが悲しい。
私を信じてくれないの？
じわりと目頭が熱くなる。
ここで泣いたらまた彼は勘違いする。
だから泣かないようにぐっと堪えた。
「何時にチェックアウト？」
「9時」
「お腹空いちゃった」
「食べ物頼む？」
「うん」
テーブルの上のメニュー表をとってくれた。
眺めて適当に決めて、電話する。
「テヒョンは？」
「俺モーニングのAランチと、あとパンの詰め合わせ」
「わかった」
ずっと心配だった体のこと。
相変わらずたくさん食べるみたいで安心した。
ジミンに撃たれた傷。
今はどうなっているんだろう。
彼はどれだけ痛い思いをしたんだろう。
「…A？」
「えっ」
「どうしたの。受話器持ったままボーとして」
「あ、ほんとだ」
「可愛い」なんて言いながら彼は笑ってくれた。
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優桜(プロフ) - 更新してくださって本当にありがとうございます(T ^ T)そして完結おめでとうございます！！2人が幸せになれてとっても嬉しいです…！！ソランさんの新作楽しみにしてますね！ (2020年12月7日 17時) (
レス) id: bc64499760 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 皆さんお待たせいたしました！本当に長いことお待たせしてしまい、大変申し訳ないと思っております…(T ^ T)全部書き切ることができてスッキリしました！またちょっとお休みして、新作も書き進めて行けたらなと思います。ですのでまたいつかお会いしましょう〜 (2020年12月7日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
うみ - この作品、一番好きだったので続編とても嬉しかったです。ほんとにキュンキュンします。テテカッコ良すぎです！更新頑張ってください！ (2018年3月5日 7時) (レス) id: 8e28afa81e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 両作品とも、ほんとに大好きです(;Д;)(;Д;) (2017年9月27日 16時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
どぅぶ - キュンキュンしすぎて死にそうです。大変ですが更新頑張ってください!! (2017年9月11日 2時) (レス) id: 1b67b0d428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2017年5月14日 21時
